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入管施設は「3密」解消を…日弁連「クラスター化するおそれが極めて大きい」
日弁連の荒中会長

入管施設は「3密」解消を…日弁連「クラスター化するおそれが極めて大きい」

新型コロナウイルスの感染拡大は、広範囲にわたって人々の暮らしに影響をもたらしている。基本となるのは、密閉空間、密集場所、密接場面の「三つの密」を避けることだが、それが困難な状況もある。そこで日弁連は4月15日、「入管収容施設における『三つの密』のリスクの解消を求める会長声明」を発表した。

荒中(あら・ただし)会長による声明は、入管収容施設では「多数の被収容者が『密閉』された雑居室に『密集』・『密接』して収容されており、一人でも感染者が出た場合には同じ居室や隣接居室が一気に『クラスター』化するおそれが極めて大きい」と指摘する。

そして「受入先のあるなど解放することが可能な被収容者については、速やかに収容を解き、集団感染のリスクを大幅に軽減すること」「収容を当面継続せざるを得ない被収容者についても、収容場内での感染リスクを極小化する(中略)、仮に感染した場合のための適切な医療体制を確保すること」の2つを要望している。

●声明より

【入管収容施設における「三つの密」のリスクの解消を求める会長声明】

昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、日本政府は、本年4月7日、「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」を発出した。感染拡大の発生を防止するためには、いわゆる「三つの密」(密閉空間・密集場所・密接場面)の回避をより一層徹底すべき状況にあることは、言うまでもない(「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」)。

しかるに、入管収容施設(全国2箇所の入国管理センター及び各地方出入国在留管理局の収容場)においては、多数の被収容者が「密閉」された雑居室に「密集」・「密接」して収容されており、一人でも感染者が出た場合には同じ居室や隣接居室が一気に「クラスター」化するおそれが極めて大きい。

(中略)

以上の点を踏まえ、法務大臣及び出入国在留管理庁長官においては、次の2点について速やかに対応されることを強く求める。

1 受入先のあるなど解放することが可能な被収容者については、在留特別許可、特別放免、仮放免、仮滞在等の諸制度を最大限活用することにより、速やかに収容を解き、集団感染のリスクを大幅に軽減すること。

2 収容を当面継続せざるを得ない被収容者についても、収容場内での感染リスクを極小化する実効的方策を講じるとともに、仮に感染した場合のための適切な医療体制を確保すること。

2020年(令和2年)4月15日

日本弁護士連合会 会長 荒   中

(全文は日弁連のサイトで確認できる)

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