傷害事件の示談金と量刑について、酔ってタクシー運転手を殴ったケースをもとに解説【弁護士Q&A】

傷害事件の加害者になってしまった場合、示談金はいくら程度支払う必要があるのでしょうか。また、起訴されてしまった場合、量刑はどの程度になるのでしょうか。 「みんなの法律相談」に寄せられた、「酒に酔ってタクシー運転手を殴り全治10日間のケガを負わせてしまった」という相談をサンプルに弁護士が解説します。

目次

  1. 酔ってタクシー運転手を殴打して全治10日のケガ…示談金の額は?
  2. 傷害事件の裁判で量刑のポイントは?

酔ってタクシー運転手を殴打して全治10日のケガ…示談金の額は?

全治10日程度のケガを負わせた傷害事件の場合、示談金はいくら程度になるのでしょうか。起訴された場合、罪の重さはどの程度になるのでしょうか。

傷害事件での示談、量刑について

傷害事件での示談、量刑について 傷害事件での加害者として被害届を提出されました。

飲酒していた私がタクシー運転手と揉めまして、腹部を殴打した(実際は押した程度)ことによる打撲全治10日、両足を足蹴りされた(実際はもみ合ってるときに当たった程度)とこによる打撲全治10日ということなのですが、示談金の相場はいくらくらいですか?

警察署での取り調べでは、診断書は打撲全治10日で出てるのですが、3か月くらい通院してるとのことなんですが、そうなると示談金の相場は変わってくるのですか?

それと、示談が成立しなかった場合の量刑はどうなりますか?示談不成立でも、不起訴処分はありえますか?私は前科はありませんが、公務執行妨害での前歴(10日勾留、不起訴処分で釈放)があります。

山本 信一の写真 弁護士の回答山本 信一弁護士 相手方の被害感情の程度によるのですが、全治10日間ということであれば、示談金は30万円から50万円程度かと思います。ただし、この10日間に休業が生じていた場合には、その分の加算を求められるかもしれません。

問題は、3か月の通院ということですが、全治10日の傷害なのになぜ通院が3か月になったのか。その原因がはっきりしないと、示談金に加算を要するかどうか、明確に言えません。そこのところを解明する必要があります。

示談が成立しなければ罰金の処分は避けられないと思います。罰金は30万円から40万円でしょうか。

示談が成立して、被害者が宥恕の意思表示(被疑者を勘弁して、被疑者の処罰を求めないとの意思表示)をしてくれた場合には、不起訴の可能性がでてくるとは言えます。

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傷害事件の裁判で量刑のポイントは?

裁判官は、傷害事件の量刑を検討するとき、どのようなことを重視して判断するのでしょうか。

傷害事件の量刑について

傷害事件の量刑について 傷害事件の量刑についてお伺いです。

相手のけがの具合、示談成立の有無、被害者の処罰感情の有無(示談に加害者を宥恕(ゆうじょ)すると記載)、再犯防止の取り組み以外でそもそも怪我をさせてしまった原因などは考慮されるのでしょうか?

今回の場合、加害者と被害者の間にはお金の貸し借りがあり、被害者が返済期日までに返せないといったことが発端となり、その後被害者が煽るようなことを言ったために傷害事件に発展してしまいました。また被害者は警察にも検察庁にも虚偽ばかり言っています。

加害者、被害者の言うことがあまりにも違いすぎ、被害者の話に信憑性が持てなかったのか、被害者側からは3〜4名事情聴取されました。

質問事項は以下の通りです。

怪我をさせてしまった原因が量刑で考慮されるのでしょうか?

怪我をさせてしまったことは事実ですが、虚偽ばかり言ってる被害者の言うことを裁判官は信じるのでしょうか?

萩原 猛の写真 弁護士の回答萩原 猛弁護士 傷害事件の量刑をする際、まず、「傷害行為」が問題となります。この場合の「行為」とは「結果」も含む概念です。「傷害行為」の「結果」である「被害の程度」は、大きな量刑要素です。瀕死の重傷を負わせた場合と軽傷では大きな相違が生じるでしょう。

次に、「行為の態様」です。何度も殴る蹴るしたとか、凶器を使っているとか、そういった要素です。「行為」についての検討の後に、「犯行に至る経緯」も検討されるでしょう。ご質問にあるように犯行に至る経緯について被害者側の落ち度の有無も検討されるでしょう。

その後に、「犯行後の状況」として、被害弁償・示談・反省状況といった点が考慮され、最後に被疑者・被告人の人的要素として、前科前歴・身上経歴も問題となります。

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