威力業務妨害罪が成立する要件と刑罰の重さ

暴力をふるったり、脅したり、地位を利用したりするなど、威力を用いて人の業務を妨害すると「威力業務妨害罪」が成立します。 この記事では、威力業務妨害罪が成立する要件と刑罰の重さについて詳しく解説します。

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目次

  1. 威力業務妨害罪とは
    1. 「威力」とは
    2. 「用いて」とは
    3. 「人」とは
    4. 「業務」とは
    5. 「妨害」とは
    6. 公務員の業務(公務)を威力で妨害した場合
  2. 業務妨害罪の刑罰

威力業務妨害罪とは

威力業務妨害罪は、威力を用いて人の業務を妨害すると成立します。

「威力」とは

威力とは、人の意思を制圧するような勢力のことです。 実際に被害者が意思を制圧されることまでは必要ありません。 裁判例で威力と認められたケースには、次のようなものがあります。

  • 電車の運転手を殴打する
  • 競馬場に平釘を1樽撒いた
  • 訴訟用の書類が入った鞄を弁護士から奪い取り2か月ほど隠した
  • テレビ生放送中のスタジオ出入り口で一斉にシュプレヒコールを行ない、雑音を入れた
  • 県議会委員会室に約200人で乱入し、委員らに罵声を浴びせ、バリケードを築いて室内に立てこもった
  • 卒業式直前に、保護者らに対して国家斉唱の時には着席するよう大声で呼びかけ、制止する校長らに怒号を発した
  • 事務机に猫の死骸を入れて、被害者に発見させた

行為やその結果が公然となされず、人に知られないように隠れてなされるような場合には「偽計」にあたり、「偽計業務妨害」が成立する可能性があります。

「用いて」とは

「用いて」とは、威力を行使することです。 必ずしも人に直接行なわれる必要はありません。

「人」とは

「人」とは、犯人以外の者です。 個人だけでなく、法人も含まれます。

「業務」とは

「業務」とは、職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して行う事務または事業のことです。 代表的には会社の企業活動があてはまりますが、必ずしも、営利目的があることや経済的活動である必要はありません。 以下のような活動も、業務に含まれると考えられています。

  • 政党の活動
  • 労働組合の活動
  • 慈善団体の活動
  • 学校の活動

「妨害」とは

「妨害」とは、業務が妨害されるおそれがあれば足り、実際に妨害されることまでは必要ありません。

公務員の業務(公務)を威力で妨害した場合

公務員がおこなう業務、つまり「公務」を、暴行や脅迫によって妨害した場合は、公務執行妨害罪という別の犯罪が成立します。 公務員の業務を、暴行や脅迫ではない「威力」で妨害した場合は、公務執行妨害罪にはあたりません。では、威力業務妨害罪にはあたるのでしょうか。 この点については、妨害した公務が、「強制力を行使する権力的公務ではない」公務である場合には、威力業務妨害罪が成立すると考えられています。 たとえば、判例では次のような公務が「業務」にあたると判断されています。

  • 旧国鉄の貨車運行業務
  • 地方議会の議事
  • 公職選挙法上の選挙長の立候補届出受理業務
  • 動く歩道を設置するため、通路上に起居する路上生活者に対して自主的に退去するよう説得し、退去後、ダンボール小屋等を撤去することなどを内容とする環境整備工事

業務妨害罪の刑罰

業務妨害罪の刑罰は、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金です。

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