信用毀損罪とは|犯罪が成立するポイントと刑罰の内容を解説

ウソのうわさを流したり、人をだましたりすることで、経済的な信用を傷つけると、信用毀損罪という犯罪にあたります。 この記事では、信用毀損罪がどのような犯罪なのか解説します。

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目次

  1. 信用毀損罪とは
  2. 信用毀損罪が成立するポイント
    1. 信用とは
    2. 虚偽の風説を流布するとは
    3. 偽計とは
    4. 名誉毀損にもあたる場合
  3. 信用毀損罪の刑罰

信用毀損罪とは

根も葉もないうわさを流したり、人をだましたりして、経済的な信用を傷つけると、信用毀損罪という犯罪にあたります。 ここでいう「人」とは、犯人以外の人のことです。人間だけではなく、法人も人にあたります。

信用毀損罪が成立するポイント

信用毀損罪は、「虚偽の風説を流布」したり、「偽計」を用いたりして、人の信用を損なわせた場合に成立します。

信用とは

経済的な信用に限られます。 たとえば、支払い能力・支払い意思に対する他人からの信頼や、販売される商品の品質に対する信頼などがあたります。 実際に信頼が低下したという事実が生じなかったとしても、信頼が低下する可能性があることをしたら犯罪が成立します。

虚偽の風説を流布するとは

ウソのうわさを不特定または多数の人に伝えることです。たとえば、「あの会社は倒産寸前だ」「あの食堂で食中毒が出た」などのウソの情報を流すことです。 裁判例では、コンビニのオレンジジュースに自ら家庭用洗剤を注入した犯人が、警察官に対して、「コンビニで買ったオレンジジュースに異物が入っていた」とウソをつき、その結果、上記コンビニで異物が入ったオレンジジュースが陳列・販売されていたという報道がされたケースで、信用毀損罪の成立を認めています。 少人数にウソのうわさを伝えた場合であっても、その人たちから他の人にうわさが広まる可能性があることから、「流布」にあたる行為だとした裁判例があります。

偽計とは

人をだましたり、誘惑したり、人の勘違いや無知につけこんだりすることです。 同じ条文で定められている偽計業務妨害の例ですが、裁判では、以下のような行為が偽計にあたるとしています。

  • 新聞社の経営者が、他紙の購読者を奪うため、他紙とまぎらわしい名称に変えて新聞を発行した行為
  • バスの乗客に対して「この運転手は癇癪を起こすから用心なさい」と伝えた行為
  • デパートの売り場の布団に計469本の縫い針を混入した行為

名誉毀損にもあたる場合

信用毀損罪にあたる行為が、同時に人の社会的な評価を事実を示して低下させていたような場合は、名誉毀損罪も成立しますが、信用毀損罪の刑罰で処罰されます。

信用毀損罪の刑罰

信用毀損罪の刑罰は、3年以下の懲役か50万円以下の罰金です。

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