公務員職権濫用罪とは|犯罪が成立するポイントと刑罰の内容を解説

公務員が、その立場を利用して他人に義務がないことをさせたり、権利を行使することを妨げたりすると、公務員職権濫用罪という犯罪が成立します。 この記事では、公務員職権濫用罪とはどのような犯罪なのか解説します。

目次

  1. 公務員職権濫用罪とは
  2. 公務員職権濫用罪が成立するポイント
    1. 公務員とは
    2. 濫用とは
    3. 「義務のないこと」をさせるとは
    4. 権利の公使を妨害するとは
  3. 公務員職権濫用罪の刑罰

公務員職権濫用罪とは

公務員が、仕事上の権限を利用して、他人に義務がないことをさせたり、権利を行使することを妨げたりすることは、公務員職権濫用罪にあたります。

公務員職権濫用罪が成立するポイント

公務員職権濫用罪は、「公務員」が、仕事をするうえで与えられた権利を「濫用」して、他人に、「義務のないこと」をさせたり、「権利の公使を妨害」したりした場合に成立します。

公務員とは

国家公務員と地方公務員の両方を含みます。たとえば、警察官や裁判官、自衛官、国公立学校の教員、市町村役場の職員などです。

濫用とは

公務員が、仕事をするために与えられた権利を使って、違法・不当な行為をすることです。 その行為が濫用といえるかどうかは、行為の目的や行われた状況から判断して、必要性があったか、法律上許される要件を満たしていたか、といった事情をもとに判断されます。 たとえば、簡易裁判所の裁判官が、審理を担当する窃盗事件の被告人に対して、交際を求める目的で「弁償のことで、ちょっと会えないかな」などと言って喫茶店に呼び出したことについて、公務員職権濫用罪の成立を認めた裁判例があります。

「義務のないこと」をさせるとは

法律上、行う義務がないことをさせることです。まったく義務がないことをさせるほか、まだ返済日が来ていない借金を支払わせるようなことも含みます。 たとえば、捜査機関が、犯罪の疑いがない人に不当な圧迫を加えて、取調べのために出頭させることは、法律上義務のないことをさせることにあたると考えられます。

権利の公使を妨害するとは

他人が法律で認められた権利を行使しようとする際に、それを妨げることです。 裁判例では、県所有の森林の管理・処分を統括する人が、樹木売却の入札で、入札価格が下位の業者に落札させるために、その業者の入札価格を増額訂正して発表し、訂正額で売買契約を結んだケースについて、実際に最高価格で入札した業者が売買契約を結ぶ権利を妨げたとして、競争入札妨害罪と公務員職権濫用罪の成立を認めています。

公務員職権濫用罪の刑罰

公務員職権濫用罪の刑罰は、2年以下の懲役か禁錮です。

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