ガス漏出等罪とは|犯罪が成立するポイントと刑罰の内容を解説

故意にガス漏れなどを起こして、他人の命や身体を危険にさらすことは、ガス漏出等罪という犯罪にあたります。 この記事では、ガス漏出等罪がどのような犯罪なのか解説します。

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目次

  1. ガス漏出等罪とは
  2. ガス漏出等罪が成立するポイント
    1. 「ガス、電気又は蒸気」
    2. 「危険を生じさせた」とは
    3. 人の死傷の結果
  3. ガス漏出等罪の刑罰

ガス漏出等罪とは

故意にガス漏れなどを起こして、他人の命や身体を危険にさらすことです。 ガス漏出等罪にあたる行為をし、人にケガをさせた場合はガス漏出等致傷罪が、死亡させた場合はガス漏出等致死罪が成立し、より重く罰せられます。

ガス漏出等罪が成立するポイント

ガス漏出等罪は、ガス、電気または蒸気を漏らしたり、流出させたり、遮断したりすることによって、他人の生命、身体、財産に危険を生じさせた場合に成立します。

「ガス、電気又は蒸気」

ガスと電気、蒸気以外を流出させてもガス漏出等罪にはあたりません。

「危険を生じさせた」とは

不特定多数の人に危険を生じさせただけでなく、特定少数の人の生命や財産を危険にさらせば「危険を生じさせた」といえると考えられています。 裁判例では、危険を生じさせたかどうかは、ガスが漏れた時刻や量、動機・目的、漏れた場所といった事情を総合的に考慮して判断されるとしています。 夜中の2時にキッチンのガスコンロの栓を全開にして、寝静まっていた夫婦ふたりだけに危険を生じさせたような場合でも、ガス漏出等罪の成立を認めています。

人の死傷の結果

ガス漏れなどの結果、人が死亡することなど具体的に予見していて、そのうえで「死んでも構わない」「ケガをしても構わない」と考えていたようなケースで、人が死亡したり、ケガをしたりした場合は、ガス漏出等致死傷罪ではなく、殺人罪や傷害罪にあたる可能性があります。

ガス漏出等罪の刑罰

ガス漏出等罪の刑罰は、3年以下の懲役か10万円以下の罰金です。 ガス漏出等致傷罪の刑罰は、15年以下の懲役か50万円以下の罰金です。 ガス漏出等罪致死罪の刑罰は、3年以上の有期懲役です。

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