犯人蔵匿・隠避罪はどのような犯罪かl罪が成立する要件と刑罰の内容

罰金以上の刑にあたる犯罪を犯した人や刑務所などから逃走した人を、捜査機関に逮捕・発見されないようかくまったりすると、犯人蔵匿罪犯人隠避罪という犯罪が成立します。 この記事では、それぞれに罪がどのような犯罪なのか解説します。

目次

  1. 犯人蔵匿罪・犯人隠避罪とは
  2. 犯人蔵匿罪・犯人隠避罪が成立する要件
    1. 「罰金以上の刑にあたる罪を犯した者」とは
    2. 「拘禁中に逃走した者」とは
    3. 「蔵匿」とは
    4. 「隠避」とは
    5. 親族が犯人をかくまった場合
  3. 犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の刑罰

犯人蔵匿罪・犯人隠避罪とは

罰金以上の刑にあたる犯罪を犯した人や刑務所などから逃走した人を、そのような事情があると知りながらかくまったり、逃走の手助けをしたりして、捜査機関による逮捕・発見を妨げる罪です。

犯人蔵匿罪・犯人隠避罪が成立する要件

犯人蔵匿罪は、「罰金以上の刑にあたる罪を犯した者」「拘禁中に逃走した者」を、「蔵匿」すると成立します。 犯人隠避罪は、「罰金以上の刑にあたる罪を犯した者」「拘禁中に逃走した者」を、「隠避」すると成立します。

「罰金以上の刑にあたる罪を犯した者」とは

「罰金以上の刑にあたる罪」とは、刑罰に罰金以上の刑(死刑・懲役・禁錮・罰金)が含まれている犯罪のことです。拘留(1日以上 30日未満の範囲で刑事施設に収容する刑)・科料(1000円以上1万円未満の範囲でお金を納めさせる刑)が罰金以上の刑と併せて規定されている犯罪も含みます。 「罪を犯した者」というと、真犯人だけが対象のようにも思えますが、犯罪をしたと疑われている人も含みます。つまり、捜査機関から捜査の対象になっている被疑者や、起訴された被告人なども含みます。 裁判例でも、逮捕状が出ていた被疑者に逃走のための資金を渡したケースで、その被疑者が後で不起訴処分になったとしても、犯人隠避罪の成立を認めています。 一方、無罪になったり、時効が完成したり、刑の廃止されたりして、処罰される可能性がなくなった人は含みません

「拘禁中に逃走した者」とは

刑務所や留置場、拘置所といった刑事施設から逃走した人のことです。逮捕されて刑事施設に連行される途中で逃走した人も含まれます。

「蔵匿」とは

捜査機関に逮捕・発見されないように、犯人に場所を提供してかくまうことです。

「隠避」とは

場所を提供してかくまう以外の方法で、犯人が捜査機関に逮捕・発見されないようにすることです。 たとえば、次のような行為です。

  • 犯人に逃走するための資金を渡すこと
  • 犯人の逮捕・発見を妨げるために、捜査機関に対して積極的にウソをつくこと
  • 捜査機関に対し、犯人の身代わりとして、自分が犯人だと名乗り出ること

犯人が逮捕勾留された後、第三者をそそのかして(教唆して)、犯人の身代わりとして警察署に出頭させ、自分が犯人だとウソをつかせた行為について、犯人隠避罪の教唆罪にあたるとした裁判例があります。 また、犯人自身が、他人をそそのかして身代わり犯人に仕立てあげた行為についても、犯人隠避罪の教唆罪が成立するとした裁判例があります。

親族が犯人をかくまった場合

親族が、身内の犯人をかくまうなどした場合も犯人蔵匿罪が成立しますが、刑罰が免除される可能性があります。 親族とは、6親等内の血族、3親等内の姻族、配偶者です。

犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の刑罰

犯人蔵匿罪と犯人隠避罪の刑罰は、3年以下の懲役か30万円以下の罰金です。

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