医師や弁護士などが秘密を漏らした場合の罪|秘密漏示罪が成立する要件と刑罰の内容

医師や薬剤師、弁護士など、特定の職業の人が、仕事上で知った秘密を漏らすと、「秘密漏示」にあたる場合があります。

  • 秘密漏示罪とは
  • 秘密漏示罪が成立する要件
  • 刑罰の重さ

この記事では、これらのポイントについて、詳しく解説します。

目次

  1. 「秘密漏示罪」とは
  2. 秘密漏示罪が成立する要件
    1. 対象となる職業
    2. 「業務で知った人の秘密」とは
    3. 「漏らす」とは
    4. 「正当な理由」とは
  3. 秘密漏示罪の刑罰

「秘密漏示罪」とは

医師や薬剤師・弁護士など、特定の職業の人が、仕事上で知った秘密を漏らすと、「秘密漏示」にあたる場合があります。

秘密漏示罪が成立する要件

秘密漏示罪が成立する要件は、医師や薬剤師、弁護士など特定の職業についている人が、「正当な理由」がないのに、「業務で知った人の秘密」を「漏らす」ことです。

被害者などが処罰を求めなければ、起訴されることはありません(親告罪)。

対象となる職業

この罪の主体になるのは、次の職業についている人です(過去にこれらの職業についていた人も含みます)。

  • 医師・歯科医師
  • 薬剤師
  • 医薬品販売業者
  • 助産師
  • 弁護士・弁護人(弁護士以外で弁護人になった「特別弁護人」)
  • 公証人
  • 宗教職(神官や僧侶、牧師、神父など)・祈祷師

「業務で知った人の秘密」とは

「業務で知った人の秘密」とは、仕事の中で知った人の秘密のことです。 秘密には、業務者自身が行った調査などで知った事柄だけでなく、本人が自ら打ち明けた事柄も含まれます。 「人」は、個人だけでなく、会社などの団体も含まれます。死者や解散した団体は含まれません。 また、「秘密」とは、少数者にしか知られていない事実で、他人に知られることが本人の不利益になることです。 特定の範囲の人に知られていても、一般的に知られていないければ、「秘密」に含まれます。

「漏らす」とは

「漏らす」とは、秘密の内容を知らない人に伝えることです。 秘密を伝えるときに、他の人に言うことを禁止した場合でも、漏らしたことになります。 漏らす方法には、直接口頭で伝えたり、書面で伝えたりするなど、様々な手段が含まれます。 また、患者の秘密が記載されたカルテを、他人が読める状態で放置するなど、積極的に伝える方法でなくても、漏らしたことあたります。

「正当な理由」とは

人の秘密を漏らす行為に、「正当な理由」があれば、秘密漏示罪は成立しません。 法律などで、報告や告知などが義務付けられている事項を報告・告知するようなケースは、「正当な理由」があることにあたります。 たとえば、医師は、法律で指定された感染症にかかった患者の年齢や性別などを、都道府県知事に届け出ることが法律で義務付けられているため、これらの事項を報告しても、秘密漏示罪にはあたりません。 また、本人が同意している場合も、「正当な理由」あることに含まれます。

秘密漏示罪の刑罰

秘密漏示罪の刑罰は、6か月以下の懲役か10万円以下の罰金です。

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