
虚偽告訴罪とはどのような犯罪か|罪が成立する要件と刑罰の内容
人に刑罰を受けさせる目的で、警察などに虚偽の内容で告訴したような場合、「虚偽告訴罪」という罪にあたります。
- 虚偽告訴罪とは
- 虚偽告訴罪が成立する要件
- 刑罰の重さ
この記事では、これらのポイントについて詳しく解説します。
「虚偽告訴罪」とは
人に対して「刑罰を受けさせてやりたい」と考え、警察などに架空の事件で告訴したような場合、「虚偽告訴罪」という罪にあたる可能性があります。
虚偽告訴罪が成立する要件
虚偽告訴罪が成立する要件は、人に「刑事・懲戒の処分」を受けさせる目的で、「虚偽の告訴や告発、その他の申告」をすることです。
「刑事・懲戒の処分を受けさせる目的」とは
人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的を持っていることが必要です。 「刑事の処分」とは、死刑や懲役刑、罰金刑などの刑事罰のことです。 また、少年法の保護処分や、売春防止法の補導処分なども、刑事の処分にあたります。 「懲戒の処分」とは、公務員に対する公的な制裁(懲戒や懲罰)のことです。
「虚偽の告訴や告発、その他の申告」とは
「虚偽の告訴や告発、その他の申告」とは、警察や検察官などの捜査機関に、真実ではない内容の犯罪事実を申告し、処罰を求めることです。 「告訴」とは、被害者や被害者の親族などが、捜査機関に犯罪事実を申告し、処罰を求めることです。「被害届」の提出は、告訴にはあたりません。 「告発」とは、事件の当事者(犯人・被害者・被害者の親族など)以外の第三者が、捜査機関に犯罪事実を申告し、処罰を求めることです。 「その他の申告」とは、告訴・告発以外の方法で、刑事処分や懲戒処分を求めることです。
故意
申告した事実を虚偽であると認識していることが必要です。 申告した人が真実だと信じて申告したときは、事実が客観的な真実には反していたとしても、犯罪の故意がないという理由で、虚偽告訴罪にはあたりません。
虚偽告訴罪の刑罰
虚偽告訴罪の刑罰は、3か月以上10年以下の懲役です。 虚偽の告訴や告発、申告した事件について、刑事裁判が確定したり懲戒処分が行われたりする前に、嘘をついたことを自白をした場合には、刑が減軽・免除される可能性があります。