「性病うつす」「日本刀ふりまわす」暴行罪や傷害罪にあたる特殊なケースを解説

「暴行罪」や「傷害罪」というと、人を直接殴ったりしてケガを負わせるケースなどを想像する人も多いと思いますが、被害者に接触しないケースで暴行罪になったり、病気にさせるケースで傷害罪にあたるケースなどがあります。 この記事では、一般的な暴力をふるう行為以外で暴行罪や傷害罪が成立するケースについて詳しく解説します。

目次

  1. 被害者に接触しなくても暴行罪が成立するケース
  2. 一般的な暴行以外で傷害罪が成立するケース
  3. 暴行罪の刑罰
  4. 傷害罪の刑罰

被害者に接触しなくても暴行罪が成立するケース

暴行罪は、人に「暴行」を加えると成立します。暴行の結果、ケガを負わせた場合には、暴行罪ではなく傷害罪が成立します。 「暴行」とは、被害者の身体に向けて有形力(物理的な力)を加えることをいいます。一般的には、殴ったり蹴ったりすることなどがあたりますが、それだけに限られません。 被害者の身体に接触しない場合でも、被害者の五感に間接的に影響を与えて、不快に感じさせたり、苦痛に感じさせたりする行為であれば、「暴行」にあたる可能性があります。 裁判では、以下のようなケースで、暴行罪を認めています。

  • 驚かせるつもりで、被害者の数歩手前を狙って石を投げつけた
  • 4畳半の室内で、被害者を脅かすために日本刀を抜いて数回振り回した
  • 幹線道路で被害者が運転している自動車に幅寄せや進路妨害をして、停止させた車に足蹴りをした
  • 携帯用の拡声器を使って、被害者の耳もとで大声を発した

一般的な暴行以外で傷害罪が成立するケース

傷害罪が成立する要件は、人の身体を「傷害する」ことです。「傷害」とは、人の生理的機能に障害を与えることをいいます。 典型的には、殴る蹴るなどの暴行によって被害者にケガをさせることですが、それだけに限られません。 暴行以外の手段でも、被害者の生理的機能に障害を与えた場合は、傷害罪が成立する可能性があります。 裁判では、次のようなケースで傷害罪の成立を認めています。

  • 性病患者である加害者が性行為により、被害者を性病に感染させた
  • 被害者に無言電話など、いやがらせの電話をかけて、被害者を精神衰弱症にした
  • 被害者が住む隣家に向けてラジオの音声や目覚まし時計のアラーム音を鳴らし続け、精神的なストレスにより、被害者を慢性頭痛症や睡眠障害にした
  • 睡眠薬などを被害者に摂取させ、数時間にわたり意識障害や筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた

暴行罪の刑罰

暴行罪の刑罰は、2年以下の懲役か、30万円以下の罰金、または拘留か科料です。 「拘留」とは、1日以上30日未満の範囲で、刑務所などの刑事施設に入れられることです。 「科料」とは、1000円以上1万円未満の範囲で、お金を支払うことです。

傷害罪の刑罰

傷害罪の刑罰は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

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