保釈が認められなかったときの対処法 l 準抗告と再度の保釈請求について解説

保釈請求が却下されて保釈が認められなかったときでも、裁判所に不服を申し立てて判断の変更を求める「準抗告(抗告)」という手続きをしたり、もういちど保釈請求したりすることで、裁判所の判断が変わり保釈が認められる可能性があります。 この記事では、準抗告や再度の保釈請求について紹介します。

目次

  1. 準抗告とは
    1. 準抗告によって保釈が認められたケース
  2. もういちど保釈請求をする

準抗告とは

裁判所(第1回公判期日前は令状を担当する裁判官)に保釈請求をしても、逃亡や証拠を隠滅するおそれがあると判断された場合などには、保釈が認められない可能性があります。 保釈請求が認められなかったとき、とりうる対処法は次の2つです。

  • 保釈を却下した決定に対して準抗告(抗告)をする
  • もういちど保釈請求をする

まずは準抗告について紹介します。 準抗告は、簡単に言えば、裁判所に対して、「保釈を認めないという判断を変更して、保釈を認めてほしい」と求める手続きです。準抗告は、弁護人にしてもらうことが一般的です。 準抗告は、第1回公判前に行う手続きで、地方裁判所に申し立てます。第1回公判後に行う場合は、「抗告」といいます。抗告の場合、高等裁判所に申し立てます。 弁護人は、裁判所に申立書を提出し、保釈却下決定書に書かれた裁判所の判断が間違っていることや、被告人にとって保釈が必要な理由などを主張します。 準抗告・抗告をしても、保釈が却下された場合は、最高裁判所に対して特別抗告という手続きをおこない、保釈を認めてほしいと求めることになります。 特別抗告の手続きは、裁判所から保釈を却下する決定を告げられてから5日以内におこないます。ただし、特別抗告ができるのは、高等裁判所の決定に憲法違反か判例違反がある場合に限られます。

準抗告によって保釈が認められたケース

準抗告によって保釈が認められたケースとして、次のような裁判例があります。 傷害や強盗致傷などの疑いで勾留されていた被告人について、証拠隠滅のおそれがあるなどとして保釈が認められず、弁護人が準抗告をしたケースです。

  • 被告人が、起訴された事実について認めている
  • 事件の立証に使う証拠は、すでに検察官のもとにある
  • 保釈中は家族が被告人と同居する予定で、被告人をしっかりと監督することが見込まれる

裁判所はこうした事実をもとに、被告人に証拠隠滅の可能性があるとはいえないと判断しました。 裁判所は、被告人はすでに約11か月間の身体拘束を受けていることや、約1か月後に始まる裁判のために、弁護人とすぐに綿密な打合わせをする必要があることなども認めました。 結果として、裁判所は、保釈請求を認めないという最初の判断は「相当とは認められない」として取り消しました。 そして、保釈金500万円を納付することと、保釈期間中に守らなければならないルール(指定条件)を設けた上で、保釈を許可する決定を下しました。 検察官は、保釈を認める判断を不服として最高裁に特別抗告しましたが、最高裁は保釈を認める判断を支持して、特別抗告を棄却しました。

もういちど保釈請求をする

裁判所に保釈が却下された場合の対処法として、もういちど保釈請求をするという方法もあります。 保釈請求が却下された時点と状況が変わった場合、もういちど保釈請求をすることで、保釈が認められる可能性があります。たとえば、次のようなことがあった場合です。

  • 事件の被害者との示談が成立した
  • 被告人の健康状態が悪化した
  • 証拠調べが終了した

保釈請求に回数の制限はありませんが、いたずらに請求を繰り返しても、保釈が認められやすくなるわけではありません。 保釈が認められる条件と、新たに起きた事実を比べて、再度保釈請求をするかどうか、認められる見込みがあるかどうか、弁護人とよく相談してから保釈請求することをおすすめします。

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