
過失運転致死罪とはl罪が成立する要件と刑罰の内容
自動車やバイク、原動機付自転車(原付バイク)を運転しているときに、運転をするうえで必要な注意を怠り、人を死亡させることは、過失運転致死罪という犯罪にあたります。 この記事では、どのような場合に過失運転致死罪が成立するのか解説します。
過失運転致死罪とは
自動車やバイク、原動機付自転車(原付バイク)を運転しているときに、運転に必要な注意を怠り、人を死亡させることです。
過失運転致死罪が成立する要件
過失運転致死罪は、次の要件を満たした場合に成立します。
- 自動車の運転をしているときに、運転に必要な注意を怠った
- 運転に必要な注意を怠ったことで、人を死亡させた
「自動車」とは
一般的な4輪の乗用車の他にも、2輪バイク、原動機付き自転車(原付バイク)も「自動車」に含まれます。
「運転に必要な注意を怠る」とは
自動車を運転する際には、進路の安全を確認して安全な速度で走行するなど、運転をする人が当然守らなければならないルールがあります。 運転中に眠気を感じた場合はいったん運転をやめて休憩をするなど、事故を起こさないために注意して運転する必要もあります。 そうしたルールを守る意識や注意力が足りずに、前方不注意やわき見運転などをして交通事故を起こし、人を死亡させると、過失運転致死罪が成立します。 裁判例では、以下のようなケースで過失運転致死罪が成立しています。
- 自動車を運転中、アクセルをブレーキと間違えて踏み込んで車を前方に暴走させ、歩行者を跳ね飛ばして死亡させた
- 自動車を運転中、前方左右をよく見ず、横断歩道を渡る人の有無を確認しないまま走行したところ、横断歩道を渡る自転車に気づかず衝突し、自転車に乗っていた人を死亡させた
人を死亡させた
過失運転致死罪が成立するには、被害者が事故によって死亡したといえること(因果関係があること)が必要です。
無免許
事故当時、被告人が無免許だった場合は、免許がある人よりも刑罰が重くなる可能性があります。
過失運転致死罪の刑罰
過失運転致死罪の刑罰は、7年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金です。
事故当時、被告人が無免許だった場合は、10年以下の懲役となります。