略取・誘拐罪はどのような犯罪か|罪が成立する要件と刑罰の内容

暴行や脅迫により人を連れ去ったり、詐欺や誘惑により連れ去ったりすると「略取・誘拐罪」という犯罪にあたります。

  • 略取・誘拐罪とはどのような罪か?
  • 略取・誘拐罪の種類
  • 有罪になった場合の刑罰

この記事では、これらのポイントについて、詳しく解説します。

目次

  1. 略取・誘拐とはどのような罪か
    1. 「略取」とは
    2. 「誘拐」とは
    3. 略取・誘拐罪の種類と刑罰
  2. 未成年者に対する略取・誘拐
    1. 保護者による連れ去りも略取・誘拐罪にあたる場合がある
  3. 営利目的/わいせつ目的/結婚目的/生命身体に対する加害目的の略取・誘拐
  4. 身代金を目的にした略取・誘拐
  5. 外国に連れ去るための略取・誘拐
  6. 有罪になった場合の刑罰

略取・誘拐とはどのような罪か

「略取」と「誘拐」を簡単に説明すると、どちらも、被害者を連れ去って、加害者や第三者の支配下に置く点は共通していますが、連れ去るための手段が異なります。

「略取」とは

「略取」は、暴行したり脅したりして、強引に被害者を連れ去ることです

「誘拐」とは

「誘拐」は、相手をだましたり誘惑したりして、連れ去ることを意味します。

略取・誘拐罪の種類と刑罰

略取・誘拐の罪について、刑法では、対象や目的によって次のような種類に分けられています。

  • 未成年者に対する略取・誘拐
  • 営利目的/わいせつ目的/結婚目的/生命身体に対する加害目的の略取・誘拐
  • 身代金を目的にした略取・誘拐
  • 外国に連れ去るための略取・誘拐

未成年者に対する略取・誘拐

未成年者に対する略取・誘拐の罪が成立する要件は、未成年者(20歳未満)を略取・誘拐することです。

保護者による連れ去りも略取・誘拐罪にあたる場合がある

未成年者の父親や母親など、保護者が連れ去った場合も、略取・誘拐罪になる可能性があります。 判例でも、妻が監護・養育していた2歳の子どもを、妻と離婚係争中の夫が強引に連れ去った事例で、夫は未成年者略取罪にあたるとされました。

営利目的/わいせつ目的/結婚目的/生命身体に対する加害目的の略取・誘拐

「営利目的/わいせつ目的/結婚目的/生命身体に対する加害目的の略取・誘拐」の罪は、次のような目的で略取・誘拐した場合に成立します。

  • 財産を得るため(営利目的
  • 被害者にわいせつ行為をするため(わいせつ目的
  • 被害者と結婚するため(結婚目的
  • 被害者をケガさせる・殺すため(生命身体に対する加害目的

身代金を要求することも、「財産を得る」行為に含まれますが、この場合は、あとで説明する「身代金を目的にした略取・誘拐罪」です。

身代金を目的にした略取・誘拐

身代金を目的にした略取・誘拐罪が成立する要件は、被害者の近親者や、被害者の安否を心配する人から、お金などを受け取る目的で、略取・誘拐することです。 「近親者や被害者の安否を心配する人」は、親子や夫婦、祖父母と孫、きょうだいなど、家族・親族の関係にある人が当てはまります。 このほか、過去の判例では、銀行の代表取締役が略取された事件で、その銀行の幹部も、「近親者や被害者の安否を心配する人」にあたるとされています。

外国に連れ去るための略取・誘拐

外国に連れ去るための略取・誘拐罪が成立する要件は、被害者を国外に移送する目的で略取・誘拐することです。 国外に連れ去るための略取・誘拐であれば、国外に連れ去った後にどうするつもりかは関係なく、この罪に当てはまります。

有罪になった場合の刑罰

略取・誘拐の罪の刑罰は、以下の表のようになっています。

未成年者に対する略取・誘拐 3か月以上7年以下の懲役
営利目的/わいせつ目的/結婚目的/
生命身体に対する加害目的の略取・誘拐
1年以上10年以下の懲役
身代金を目的にした略取・誘拐 無期懲役か3年以上の懲役
外国に連れ去るための略取・誘拐 2年以上の有期懲役

これらの罪は、未遂の場合も処罰されます。

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