痴漢

弁護士監修記事 2016年05月26日

痴漢被害に遭った際にできる法的な対処 - 被害届・告訴状の提出や慰謝料請求

不運にして痴漢被害に遭ってしまったら、犯人を正当な手続きによって罰したい、二度と痴漢をしないでほしい、金銭で償いをしてほしいと考える方が多いでしょう。しかし、被害に遭ってしまった際に、どのように対処すべきかわからない場合も多いものです。ここでは、法的な対処の仕方を説明しながら、判断のポイントを紹介します。

目次

  1. 痴漢被害に遭ってしまったら
  2. 痴漢加害者が受ける刑罰
  3. 痴漢被害での被害届・告訴
  4. 痴漢の慰謝料と示談
    1. 示談に応じるべきか

痴漢被害に遭ってしまったら

法的な面でできることは、大きく分けて二つあります。一つ目は、被害届・告訴によって犯人に刑罰が科されることを求める、二つ目は、民事裁判で慰謝料を含めた損害賠償を請求することです。 痴漢は犯罪なので、犯人は刑罰を科される可能性があり(刑事責任)、同時にその痴漢行為によって被害者に与えた嫌悪感や恐怖心に対する慰謝料といった損害賠償責任(民事責任)も発生します。 これら二つの責任追及は、別々に物事が進みます。しかし、実際問題としては、刑罰を追及する過程で、犯人側の弁護士から示談を申し込まれる場合もあり、その場合は民事責任も含めた交渉となることが一般的です。

痴漢加害者が受ける刑罰

そもそも痴漢行為を働いた犯人にはどういった刑罰が下るのでしょうか。 痴漢加害者にあてはまる可能性のある犯罪は、「迷惑防止条例違反の罪」か「強制わいせつ罪」です。これらの違いは悪質性の程度の違いであり、服の上から軽く触るといった場合には迷惑防止条例違反に問われ、下着の中まで触ったり執拗に触るといった場合には強制わいせつ罪に問われます。 迷惑行為防止条例は各都道府県ごとに条例が定められており、科される刑罰も多少異なる場合がありますが、概ね6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が目安となります。 強制わいせつ罪の場合には、6か月以上10年以下の懲役が科される可能性があり、より重い処罰となります。 以下では、迷惑防止条例違反に該当する比較的軽微な被害を前提にします。より重度の被害の場合には、「無理やり性的行為を受けてしまった際の告訴や慰謝料請求 - 強制わいせつ事件の被害者にできる対処法」をご覧ください。

迷惑防止条例違反は6か月以内の懲役または50万円以下の罰金

痴漢被害での被害届・告訴

では、犯人にこれらの刑罰を科してほしいと思った場合にはどうすればよいのでしょうか。 痴漢行為に関しては、現行犯でそのまま犯人が逮捕されるケースも多いですが、そうでない場合は警察に被害届を提出する、または告訴することで捜査をお願いすることとなります。 被害届と告訴の違いは、処罰を望む意思を含むかどうかの違いです。被害届の場合は、単に被害を受けたことの申告であり、警察には捜査を開始する義務はありません。犯人を逮捕し、処罰してほしいと願う場合には、告訴が必要となります。 ただし、告訴すればただちに捜査が開始されるわけではありません。犯行が確からしく、処罰する必要性が認められなければ受理されない可能性があります。 受理されない場合にも、まずは被害届だけでも提出したり、弁護士に相談して告訴状を作成してもらうことも可能です。

痴漢の慰謝料と示談

上記のように刑事責任を追求していく過程で、加害者側の弁護士から示談を申し入れられるケースも多くあります。その際には、どのくらいの金額が妥当なのかが気になるところでしょう。 すで述べたように、痴漢行為によって民事上の損害賠償責任が発生します。具体的に言えば、痴漢の被害に遭ったら、精神的なダメージについての慰謝料を請求できますし、もしも精神的なダメージからカウンセリングを受けたり、休職しなければならなかったりした場合には、カウンセリングの費用や賃金が減った分の賠償も請求できます。 痴漢の慰謝料相場は、程度によりますが、迷惑行為防止条例違反相当のものであれば10〜40万円弱となります。これに加えて、実際に支払った費用を請求することになります。 示談ではなく、民事裁判を起こして請求することも可能です。しかし、弁護士費用が発生したり、出廷や準備書面の作成などに時間的な負担も生じます。費用は30万円程度(請求したい金額や各弁護士によって異なる)が目安となり、費用倒れする可能性に注意する必要があります。

慰謝料の相場は10〜40万円弱

示談に応じるべきか

一方で、示談にもデメリットがあります。示談の成立によって減刑される可能性が高まる、あるいは罰せられない可能性すらあります。これが加害者側から示談の申し入れがある理由の一つでもあります。 示談の成立は、当事者間で問題が解決したことを意味し、加害者の民事責任が果たされることが一般的です。当事者間で和解し、十分な被害弁償がなされているのであれば、厳しく罰する必要がないと判断されることになるのです。 また、告訴・被害届の取り下げや、示談書に「寛大な処分を望む」という文言を入れることを求められることは往々にしてあるのです。 もちろん、加害者側が要求を受け入れさえすれば、こういった「許し」なしに示談を成立させることは可能です。しかし、それでも示談成立自体が情状面で有利に働くことには変わりないため、加害者が罰せられることを望む場合には慎重に検討すべきでしょう。

示談の成立は減刑につながる

このように、示談は状況によって金額も、メリット・デメリットも異なることから、一律の基準で判断することはできません。また、被害に遭った当初は、心に傷が残り、冷静な判断も難しいでしょう。判断に困った場合には、一人で悩まず、弁護士に相談することをおすすめします。

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