ストーカー

弁護士監修記事 2016年05月26日

ストーカー規制法と警告・禁止命令を受けた際の注意点や逮捕後の流れと対処法

別れた元恋人と話したいがあまり相手につきまとってしまい、その結果ストーカー行為を行ってしまう場合もあります。ストーカー行為を続けた場合には、最終的に逮捕され刑を科されることにもなりかねません。ここでは、万が一ストーカーと呼ばれてしまった場合の注意点についてお話します。

目次

  1. どこからがストーカーか?
    1. 冤罪・理由がある場合
  2. ストーカー行為を続けるとどうなるか
  3. ストーカー規制法違反で逮捕されたら
  4. 示談という対処法

どこからがストーカーか?

ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)では、ストーカー行為について以下のように規定されています。 「ストーカー行為」とは、同じ人に対して「つきまとい等」を繰り返し行うことをいいます。「つきまとい等」とは、恋愛感情や好意、またそれが満たされないことによるうらみの感情により、その人またはその人の家族に対して、執拗にメールやチャットを送る、待ち伏せる、交際を迫る、無言電話をかけるといった行為をいいます。 具体的には、以下の8つが「つきまとい等」行為になります(詳細は警視庁ホームページも併せてご覧ください)。

  • つきまとい、待ち伏せ、進路への立ちふさがり、見張り、押し掛けること
  • 監視していると思わせるような事項を告げること
  • 面会、交際等を要求すること
  • 著しく粗野または乱暴な言動
  • 無言電話、連続して電話・ファクシミリ・電子メールを送信すること
  • 汚物などを送付すること
  • 名誉を害する事項を告げること
  • 性的羞恥心を侵害すること

なお、恋愛感情に基づかないつきまとい等はストーカー行為の対象とはならず、軽犯罪法違反となります。 また、ストーカー行為はつきまとい等を繰り返し行う必要があることです。したがって、1回だけの待ち伏せなどはストーカー行為にはあたりません。

冤罪・理由がある場合

あなたがストーカー行為を行っていないと思っていても、ストーカー行為として扱われてしまうことがあるので注意が必要です。例えば、元恋人から借金の返済をしてほしいために、執拗に連絡をとると、その行為自体がストーカー行為とみなされる可能性があり、ストーカー規制法違反となってしまいかねません。 もっとも、常識的な頻度・内容での返済催促にも関わらず、返済を避けたいがためにストーカーと言われてしまうこともあるでしょう。理由があり連絡を取らなければならないにも関わらず、ストーカーと言われてしまっている場合には、弁護士を代理人とするなど第三者を通すようにしましょう。

ストーカー行為を続けるとどうなるか

ストーカー行為を続けた場合の一般的な流れは次のようなものになります。 まずは被害者の申出により、警察署長があなたにつきまとい等を行ってはならないことを「警告」します。 警告に従わなかった場合には、「禁止命令」が出されます。禁止命令の内容は次の2つです。

  • つきまとい等にあたる行為をさらに行ってはならないという命令
  • つきまとい等を防止するための命令(例えば、犯人が被害者の写真を送付している場合、写真のネガを提出させること)

前者に従わずにストーカー行為を行った場合には、禁止命令違反として1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、後者に違反した場合は50万円以下の罰金が科せられます。 参考:神奈川県警

ストーカー規制法違反で逮捕されたら

もし、被害者が加害者の処罰を求めた(告訴をした)場合には、あなたは逮捕される可能性があり、有罪となれば罰則として6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。 逮捕がされた場合、捜査機関から「被疑者」と呼ばれ、警察の留置所または拘置所に収容され、取調べを受けることになります。逮捕により自由が制限されるのは最大72時間です。この間は外部との連絡は自由にできなくなります。 この72時間の間に検察が裁判官に対して、より長期の身柄拘束(勾留という)を請求しこれが許可されると、最大10日間、延長請求が認められればさらに最大10日間身柄を拘束されることになります。 その後に検察官から刑事裁判での有罪判決を求められる(起訴される)と、保釈が認められない場合、原則として裁判終了まで身柄を拘束され続けます。また、取調べ以外にも、自宅や勤務先会社での家宅捜索、事故現場での事件状況の説明・再現、本人以外の事件関係者の取調べなど、捜査機関による捜査が行われる場合もあります。

示談という対処法

では、逮捕されてしまった場合、何らかの対処法はあるのでしょうか。 対処法の一つとして、示談を成立させることが挙げられます。示談とは、裁判外で当事者の話し合いにより紛争を解決することをいいます。 ストーカー規制法違反は親告罪であるため、逮捕・起訴するためには被害者の告訴が必要です。ストーカー行為による精神的苦痛やカウンセリングを必要とした際の出費などの被害を金銭面で弁償すること、二度と連絡をしないことや遠方への引越しを誓約するといったことと引き換えに、ストーカー行為を許してもらい、告訴を取下げてもらえれば、不起訴処分を獲得することが可能です。 不起訴処分となればすぐに釈放される他、前科がつかないため資格取得や就職の制限を受けることもありません。 しかし、示談交渉を行うには被害者の連絡をとらなければなりませんが、ストーカー行為を行った加害者本人が連絡をすることは、さらなる恐怖を与えてしまったり、感情を逆撫でする危険性があります。 また、ストーカー被害者の精神的被害は相当に大きく、粘り強く交渉を進める必要がありますが、逮捕から起訴までの時間は最大でも23日間しかありません。そのため、実質的に弁護士に依頼して示談を行うこととなります。

昨今では、ストーカーから殺人事件に発展するケースも目立ち、ストーカーの取り締まりが強化されている傾向にあります。ストーカー行為をしてしまい、警察から逮捕されてしまいそうな場合や、ストーカー扱いされてしまっているものの、引き続き相手と連絡を取る必要がある場合などには、早めに弁護士に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。

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