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釈放・保釈

2016年05月26日

釈放・保釈とは?逮捕され身柄を解放してほしい場合の対処法

「釈放」と「保釈」。どちらも拘置所などの施設から出られることを意味し、とてもよく似た言葉ですが、大きな違いもあります。それに伴って、身柄を解放してもらうための対処法も異なってきます。

目次

  1. 釈放と保釈の違い
  2. 釈放のタイミングと対処法
  3. 保釈の条件
  4. 保釈金の相場と返還
  5. 保釈の流れ

釈放と保釈の違い

釈放とは

釈放とは、犯罪を犯したと疑われている人(被疑者と言います)が、逮捕され、留めおかれていた拘置所などの施設から出られるようになることです。 犯罪の疑いをかけられ逮捕されたとしても、早い段階で施設から出られたならば、事情を学校や職場に知られることなく、いつもの生活に戻ることができる可能性が高くなります。また、示談や不起訴に向けて、弁護士とともに十分な準備を行うこともできます。

保釈とは

保釈とは、起訴された後に裁判所に対して保釈請求をし、それが認められることによって、保釈金の納付と引き換えに、留めおかれていた拘置所などの施設から出られるようになることです。 保釈も釈放の一種ではありますが、正式起訴され公判(公開された法廷で量刑を争う刑事裁判)を控えた状況でなければ請求できません。 保釈が認められれば、出廷までの期間はいつもの生活に戻ることができます。また、今後の裁判に向けて、弁護士とともに十分な準備を行うことも可能です。

釈放のタイミングと対処法

釈放のタイミングは三つあります。送検前(事件が検察官に送致される前)、勾留前(逮捕後に本格的な身柄拘束をされる前)、公判前(裁判がはじまる前)です。 それぞれ、釈放を勝ち取るポイントは少しずつ異なりますが、いずれの場合にも共通するポイントとして、もし被害者がいるタイプの犯罪であれば、早期に示談を成立させることが重要です。示談を成立させることは自分の犯した犯罪を認め、罪と向き合うことを意味しますから、証拠隠滅や逃亡のおそれがないと判断され、釈放されやすくなるのです。

送検前

警察官に逮捕された場合、原則として、作成された書類や証拠が検察官に送られます(送検と言います)。しかし、例外的に、犯罪の疑いが晴れた、極めて軽い犯罪であったなど、そもそも逮捕に値しなかったと判明した場合や、警察官が、証拠の隠滅や逃亡のおそれがないと判断した場合には、送検されずに釈放されることがあります。 この段階の取り調べ において、疑いをかけられている犯罪を犯したと認め、その旨の供述調書に署名すると、警察官としては証拠の隠滅や逃亡のおそれがないと判断できることから、被疑者は釈放されやすくなります。 しかし、釈放されたいがために、事実と異なるにもかかわらず、被疑者にとって不利な内容の供述調書に安易に署名すると、いざ裁判になったときに、その内容を否定するために莫大な労力が必要になり、裁判が長引く可能性も高くなります。 したがって、初期段階だから、と気を抜かずに、そしてまた、釈放されることばかり考えずに、弁護士の客観的なアドバイスを求め、慎重に対応するのが賢明でしょう。

勾留前

送検された場合であっても、釈放は可能です。すでに弁護士がついていれば、弁護士は、検察官に対して勾留の理由や必要性がないことを主張し、勾留を請求しないように働きかけます。 それにもかかわらず、検察官が勾留を請求した場合、裁判官は「勾留質問」と呼ばれる手続の中で被疑者の話を聞き,勾留するかどうかを決めます。このとき、弁護士は裁判官に対して、勾留請求を却下するように働きかけます。 その結果、例えば、家族などの身元引受人がいて、犯罪を犯したことを認めているなど、被疑者の住居が定まっており、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことがわかった場合には、裁判官は勾留の理由がないと判断し、被疑者は釈放されることになります。 それにもかかわらず勾留されてしまった場合、弁護士は「勾留理由」の開示請求や「準抗告」という手段で、裁判所に対して不服を申し立てます。準抗告が認められれば、直ちに被疑者は釈放されます。

公判前

逮捕、勾留されたとしても、取り調べの結果、犯罪を犯した証拠が十分に集まらない場合には「不起訴処分」となります。また、痴漢や盗撮といったタイプの事件では、犯罪を犯したことを認めて反省し、被害者との示談を成立させた被疑者については不起訴処分となるケースが多く見られます。 不起訴処分となれば釈放され、いつもの生活に戻ることができますし、前科もつきません。しかし、不起訴処分を獲得するためには、被疑者にとって有利な証拠を収集したり、真摯な反省の一環として再犯防止策を具体的に提示したり、と高度なテクニックが必要になります。専門家の手を借りるのが適切でしょう。 「起訴」されたとしても、罰金を支払うことで釈放されるタイプの事件もあります。いわゆる略式起訴です。罰金も刑罰の一つですので前科がつきますが、いつもの生活に戻ることができます。

保釈の条件

さきほど述べたように、保釈とは、起訴された後に裁判所に保釈請求が認められて、拘置所などの施設から出られるようになることです。したがって、保釈は起訴されて始めて請求可能となることに注意してください。 裁判にかけられることが決まっているにもかかわらず身柄の拘束を解くわけですから、保釈は、裁判が始まる前の釈放に比べて条件が厳しくなります。まず、重い罪でないこと、過去に重い罪で有罪になっていないことが条件として課されます。 保釈を請求できる人にも制限があり、勾留されている被告人(裁判がはじまると、被疑者は被告人と呼ばれるようになります)自身のほか、配偶者と直系の親族、弁護人にだけ認められます。 もっとも、実際の手続は依頼を受けた弁護士が行うことが多いでしょう。それは、保釈請求には、証拠隠滅や逃亡、お礼参り(被告人が拘束を解かれた後、被害者その他犯罪の告発をした人に報復をすること)などのおそれがないことを示す証拠資料が必要であり、それを特別な知識のない一般の方が準備するのは難しいからです。 身元引受人の存在も保釈の条件です。いざというときに備え、国に代わって被告人の所在を把握している人物が必要だからです。同じ趣旨から、保釈中の住居が制限される場合もあります。 保釈は保釈金の納付と引き換えに許されます。すなわち保釈金の納付も条件です。

保釈金の相場と返還

保釈中に被告人が、上記のような条件に違反して、証拠を隠滅したり逃亡したり、裁判所からの出頭命令に応じなかったりした場合、保釈は取り消され、保釈金の全部または一部が没収されることになります。 条件に違反することなく裁判が終了すれば、納付した保釈金は返還されることになります。言い換えれば、証拠隠滅や逃亡、お礼参りを防ぐという目的を達成するため、保釈金の金額の設定には、被告人が、没収されたくないと感じる程度、かつ納付が可能な程度の金額というバランスが求められます。 したがって、その金額は被告人の資産状況によって大きく異なりますが、一般的に、保釈金の相場は150万から200万円となります。もちろん、軽い罪の場合は100万円程度で済む場合もあるなど、事件内容によっても金額は変わってきます。

保釈の流れ

検察官が起訴した後、弁護士などが裁判官に対して保釈を請求します。1~2日後、裁判官は、保釈について検察官の意見を聞き、その1~2日後、裁判官は被告人と面接し(裁判官面談と呼ばれます)、保釈を許可するかどうか検討します。 結果はその日のうちに出ます。保釈が却下された場合は、残念ですが勾留が続きます。保釈が許可された場合は、保釈金(正式には保釈保証金と言います)を裁判所へ納付し、検察官の釈放手続き(釈放指揮と呼ばれます)を経て、1~2時間で施設から出ることができます。

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