器物損壊罪と動物愛護法について

刑法で「他人の物を損壊し」た際の罰則を設けているにもかかわらず、さらに動物愛護法で「人が占有している動物」を傷つけた場合の罰則を定めているのには、何か理由はあるのでしょうか?
器物損壊罪の規定だけで十分ペット等を守ることができると思うのですがいかがでしょう?

動物愛護法
第四十四条  愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
4  前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一  牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二  前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

刑法
(器物損壊等)
第二百六十一条  前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(自己の物の損壊等)
第二百六十二条  自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、又は賃貸したものを損壊し、又は傷害したときは、前三条の例による。
2014年02月27日 22時51分

みんなの回答

弁護士A
ありがとう
動物愛護法は、「人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的」として、総合的に、「動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止」する法律です。
http://www.houko.com/00/01/S48/105.HTM

この中で、「器物損壊」には該当しない、動物虐待も処罰しています。虐待だけは動物愛護法で、器物損壊に該当する場合には刑法の器物損壊罪で処罰するのは、一貫性に欠けるように思います。

また、刑法(「刑法」だけでなく刑法一般)は事後的な処罰で特別予防を図るだけでなく、罪になる行為を示して一般予防を図ることも、その目的ないし機能の一つとしています。
「他人の物」を損壊する行為を罰するだけでは、動物愛護の意識を喚起するのに不十分ではないでしょうか。動物を殺傷・虐待した場合について、明示的に罰する法規を定める方が、国民の意識喚起、ひいては一般予防に資すると言えるでしょう。
それを、上記の通りの、総合的な動物愛護法で行うことは、人と動物の共生する社会の実現に資すると考えられます。

2014年02月28日 11時18分

相談者
「「器物損壊」には該当しない、動物虐待」行為とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

2014年02月28日 22時50分

弁護士A
ありがとう
動物の愛護及び管理に関する法律 第44条をご覧ください。

2014年03月03日 10時09分

相談者
下記のものだと思いますが、どのあたりが違うというのでしょうか?

   第六章 罰則

第四十四条  愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
2  愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。
3  愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。
4  前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
一  牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二  前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

2014年03月03日 23時05分

弁護士A
ありがとう
刑法261条の器物損壊罪によって処罰できるのは,「他人の物」を物理的に毀損または効用を喪失させる行為を言います。

例えば,他人の犬を傷害したり,他人の鳥かごから鳥を逃がす行為は器物損壊となり得ます。

動物の愛護及び管理に関する法律 第44条に掲げられた行為がこれにあたるのかどうか,ご自身で一つ一つ検討して頂きたいのですが,例を挙げると,自分の犬をみだりに傷つけたり,エサや水を与えず虐待しても,器物損壊罪で罰することはできません。

2014年03月04日 10時23分

相談者
なるほどそうですか。
因みに、他人の物であっても逃がしたり、殺したりするためには一度占有する必要があると思うのですが、爬虫類以上の動物を損壊したとして器物損壊罪が成立する場面は、常に動物愛護法第44条違反でもあるということになるのでしょうか?

2014年03月04日 22時35分

この投稿は、2014年02月27日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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