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覚せい剤

2016年05月26日

覚せい剤取締法違反で逮捕された際の刑期と裁判までの流れや対処法

ここでは、覚せい剤取締法違反の罪に問われている場合、どのような刑罰が科されるのかについて、量刑の相場とともに説明します。逮捕・勾留中における接見や裁判までの流れを確認しましょう。 ※下記に記載する数値は、検察庁統計年報と司法統計に基づき算出しています。

目次

  1. 覚せい剤取締法違反とは
  2. 覚せい剤取締法違反の刑期
  3. 逮捕後の捜査や裁判までの流れ
  4. 身柄拘束中の弁護活動
  5. 起訴後の対処法

覚せい剤取締法違反とは

覚せい剤取締法は、覚せい剤(フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン)の所持、使用、譲渡、譲受を禁止しており、これに違反する場合は刑罰が科せられることになります。また、営利目的でこれらの行為を行った場合はさらに重い刑罰が科せられます。 覚せい剤だと知らずに所持していたような場合は犯罪が成立しません。しかし、「覚せい剤かもしれない」と思っていたり、「何らかの薬物だろう」と思いながら譲り受けたり、使用した場合は犯罪が成立する可能性があります。

覚せい剤取締法違反の刑期

営利目的がない場合は、10年以下の懲役となるのに対して、営利目的がある場合は、1年以上の懲役となります。懲役刑は最長で20年と定められているので極めて重い刑罰です。 また、営利目的がある場合は懲役刑に加えて、500万円以下の罰金刑も合わせて科される可能性もあります。さらに所持していた覚せい剤などは没収されてしまいます。 営利目的なく所持・利用した場合、初犯であれば、懲役1年6か月程度で執行猶予が3年というのが量刑相場となっています。 これに対して、薬物事件の前科があるような場合は、執行猶予がつくことはほとんどありません。この場合は、実刑となるためすぐに服役することになってしまいます。2回目、3回目の場合は、懲役2年前後の実刑となります。 量刑の判断にあたっては、使用頻度・使用量、被告人の反省態度や更生意欲、身内による監督の有無の他、組織的犯罪に関与しているか、使用するに至った経緯などの事情も考慮されることになります。

逮捕後の捜査や裁判までの流れ

覚せい剤取締法違反で逮捕された後、ほとんどの場合で勾留(最長20日間の長期の身柄拘束のことを言う)されることとなります。逮捕された被疑者のうち99%以上が勾留されています。そしてそのうちのおよそ59%が10日以上勾留されています。 身体拘束の割合が高いのは、覚せい剤の性質上、トイレに流したりなど容易に証拠隠滅がなされるおそれが大きいためです。また、共犯者がいるような場合も協力して証拠隠滅を行おうとする可能性が高いのも原因の一つです。 逮捕と前後して、家宅捜索が入り、覚せい剤やそれを使用するための道具などといった、事件に関連するものが押収されることになります。押収された覚せい剤は、本当に覚せい剤かどうか成分検査が実施されます。 また、覚せい剤を使用したと疑われている者に対して尿検査も実施されます。同居人なども同様の疑いがある場合は尿検査が行われる可能性があります。 このようにして収集された証拠に基づいて、検察官が起訴するかどうかを決め、起訴された場合は裁判にかけられることになります。検察に送致された事件のうちおよそ81%が起訴されています。 なお、営利目的で覚せい剤を輸入した罪に問われる場合は、裁判員裁判となります。

身柄拘束中の弁護活動

家族や知人が覚せい剤取締法違反の容疑で身柄拘束されている際にできる弁護活動としては、接見(面会)に行くことと、保釈請求を行うことが挙げられます。

勾留中の接見について

逮捕された後、誰とも合わずに捜査機関からの取り調べを受けるというのは精神的に大変辛いものがあります。家族のこと、職場のこと、これからの将来のことなど心配事に尽きません。このような状況の中で心が折れ、真実ではないことまで自白してしまうこともよく見られます。 勾留中の接見(面会)は、家族や知人でもできる場合がありますが、覚せい剤取締法違反のような場合は、家族や知人を介した証拠隠滅のおそれもあるため、接見が禁止されることがあります。また、接見が可能であっても、時間や回数、警察官の立ち会いなどの制約があります。 これに対して、弁護士の場合は時間や回数の制限なく、警察官の立ち会いなしで接見することができます。さらに、逮捕段階では、家族などの接見はできず、弁護士しか接見できません。 接見が拒否されてしまった際には、弁護士に相談することをおすすめします。

保釈について

全く身に覚えがない場合や違法な捜査が行われた場合のようなとき以外は、証拠となる覚せい剤が発見されてしまうため、ほとんどの場合で起訴されてしまい、不起訴処分となることは稀です。 起訴された場合は、引き続き勾留される可能性が高いので、起訴後の保釈を目指すことになります。証拠隠滅・逃亡のおそれがないことを、検察官・裁判官に認めてもらわなければなりません。捜査・裁判への協力状況や家族などのサポートの他、初犯で反省の姿勢が見られる場合などと言った事情と保釈金の支払い可能性が考慮されることになります。 保釈について詳しくは「釈放・保釈とは?逮捕され身柄を解放してほしい場合の対処法」をご覧ください。

起訴後の対処法

覚せい剤取締法違反で逮捕されれば、多くの場合で起訴され有罪となってしまいます。覚せい剤に関わってしまったことを後悔し、更生の思いがあるのであれば、執行猶予を獲得して少しでも早い社会復帰を目指すことが最善でしょう。

即決裁判裁判と執行猶予

起訴される際に、被告人が罪を認め、事件が明白であり、証拠調べに手間がかからないような事件の場合、即決裁判手続きという制度を利用できる可能性があります。 この手続きをとれば、起訴後14日以内に裁判が行われ、一日(30分程度)で判決が言い渡されます。書面のみで裁判が行われるため、早期に裁判が終わる上、必ず執行猶予が付くメリットがあります。 素直に罪を認め、覚せい剤を入手した経路や人間関係を明白にするなど、積極的な捜査協力が必要となるでしょう。

再犯防止への対策

薬物犯罪は再犯率が高い犯罪として知られています。反省の態度を示し、再び罪を犯さないようなケアが重要になります。 まず、再犯防止を手助けしてくれるクリニックがあるので、そのような施設に通うことを誓約することが挙げられます。クリニックなどに通いながら薬物に対する正しい知識を身に着けるとともに、カウンセリングやリハビリを通して薬物依存からの脱却を目指します。 また、人間関係や日常生活に問題がある場合がきっかけとなっていることが多く見られます。交友関係や職場関係などにおいて薬物との縁を切り、再犯を起こさないような環境を整えましょう。

覚せい剤は再犯率の高い犯罪なので、被告人がどんなに反省と再犯防止を誓っても、疑いの目で見られてしまうことは避けられません。検察官や裁判官に反省の念を伝え、再犯防止策が正しく実行されることを信じてもらうのは容易なことではなく、この場合にも、弁護士の力が必要となるでしょう。

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