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主人公の行為はどう罰せられうるか(緊急性なし、創作中の人物についての法定刑と罪数論)

趣味でフィクションの創作作品を書いています。現代日本社会が舞台で、変な力を得た主人公が大暴れした挙句に警察に捕まるストーリーです。
で、主人公が司法で裁かれるシーンを書きたいのですが、書いている犯罪が刑法学的に法定刑がどのようになるのか、罪数はいくつの罪として扱われるのか、分かりません。
ご教授して頂ける方がもしいらっしゃれば、答えて頂けますと非常に有り難いです。

主人公が行った行為を時系列順に並べると、以下の通りです。

1.主人公は、自身の特殊な力で刑事施設に無断で侵入した。
2.主人公は、その力で刑事施設の壁を壊しつつ、その施設にいた別の事件の被告(主人公とは初対面)を無理やり外に連れ出した。
3.主人公は、被告が嫌がっているのに、自身の力で余所の建物に被告を連れ込んだ。
4.主人公は、建物内で被告を殺害した。殺害にはロープが使われた。
5.主人公は、自身の力で、死亡した被告から内臓をえぐり取った。

その後、逮捕・起訴・公判となり、1~5までの行為を行った事は検察・弁護側とも争い無く、裁判所は判決においても上記を認定したとします。
なお、主人公の犯行の目的は「被告の内臓を得ること」であり、刑事施設に侵入した当初からそのつもりであった、という点も争いありません。

主人公は成人で、責任能力はあり、法定減軽事由はなく、刑事法等諸々の法律・制度は現代日本と同様とします。
この場合、罪の個数と言い渡せる刑の下限は懲役何年になると言えるでしょうか?

殺人罪が含まれるので上限が死刑であること、下限は少なくとも懲役5年より短くなることは無いこと、また牽連犯や併合犯などの言葉が登場しそうなことは分かるのですが、それ以上はちょっと分からずに困っています。

タイトル通り緊急性は無く、現実の依頼にも全くつながらない質問ですが、答えて下さる方がもしいらっしゃいましたら本当に嬉しいです。
相談者(355119)からの相談
2015年06月01日 21時47分

みんなの回答

甲本 晃啓
甲本 晃啓 弁護士
犯罪・刑事事件に注力する弁護士
ありがとう
1.主人公は、自身の特殊な力で刑事施設に無断で侵入した。
→ ①建造物侵入罪(刑法130条→以下130のように記載)

2.主人公は、その力で刑事施設の壁を壊しつつ、その施設にいた別の事件の被告(主人公とは初対面)を無理やり外に連れ出した。
→ ②被拘禁者奪取罪(99) 主人公も法令で拘禁されていれば加重逃走罪(98)
  と ②´身体に対する加害の目的での略取誘拐罪(225)との観念的競合
  ①との関係は牽連犯

3.主人公は、被告が嫌がっているのに、自身の力で余所の建物に被告を連れ込んだ。
→ ③逮捕または監禁罪(220)

4.主人公は、建物内で被告を殺害した。殺害にはロープが使われた。
→ ④殺人罪(199)
  ②③との関係は牽連犯

5.主人公は、自身の力で、死亡した被告から内臓をえぐり取った。
→ ⑤死体損壊罪(190)
  通常、④とは目的手段の関係にないので牽連犯にはならないと思います(併合罪)

罪の個数は5で、①〜④が牽連犯(科刑上一罪)、これらと⑤が併合罪関係にありますが、殺人罪は死刑・無期懲役なので併合罪でも刑の上限は加重されません(46条1項・2項)。結局、殺人罪の範囲(死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)で宣告刑が決まり、下限は懲役5年かと思われます。

2015年06月02日 07時58分

相談者(355119)
丁寧な回答ありがとうございます。
フィクションの話ですので、回答が頂けるかどうか正直半信半疑でした。
追加で2点質問させてください。これでお尋ねしたいことは全てです。

・最初の質問で登場した主人公をAとします。もう1人主人公に味方した人物Bが居たとします。Aは刑事施設に侵入までB宅に身を寄せていました。
 最初の質問でAが行った犯罪について、AとBは協力し合って犯行計画を作り上げていました。
 「殺害する対象をこの被告にするべきだ」とAに指示したのがB、その被告を連れ出し内臓をえぐり取るまでの計画は、AとBが等しく助け合って作り上げました。
 なお、実際にその計画に沿って犯罪行為を実行したのはAのみです。Bは、自宅を発って犯行のために刑事施設に向かうAを見送っています。

 この場合、BはAと同様に罰されるであろうと推測しています。Bは、共同正犯として罰せられることになるのでしょうか?

・現実の量刑相場をそのままAとBの犯罪行為に当てはめた時、違和感がない判決は大体どのような量刑になるでしょうか?
 AとBの犯行動機が快楽目的だ、と認定された場合と、AとBが、Aの生命を維持するためやむを得ないと判断したためだ、と認定された場合、2通りの答えを頂きたいです。

 なお、犠牲になった被告は、AとBとは全く無関係の重大事件を起こして拘置所に居た、という設定です。
 判決を言い渡される直前にAの事件に遭い、関係者の下馬評ではAに殺されなくてもいずれ死刑判決を受けて刑死していたのでは、と言われていました。
 この質問においては、AとBは私が質問に書いた内容以外に裁判所が認定した犯罪事実は無く、2人とも前科前歴は皆無であるとします。
 また、共に成人で責任能力も認められているものとします。

 ファンタジーな話ですし、厳密な正解が出るものではないので、「大体これくらいからこれくらいの間の刑だと違和感がない」くらいの大まかな回答で構いません。

2015年06月02日 21時12分

甲本 晃啓
甲本 晃啓 弁護士
犯罪・刑事事件に注力する弁護士
ベストアンサー
ありがとう
そこまでBが関与すると共同正犯ですね。

快楽目的より、Aの生命を維持するためやむを得ないと判断したときのほうが軽いでしょう。被害者はひとりですが、計画的で態様も悪質なので、前者が10年〜無期、後者が7年〜10年ぐらいでしょうか。牽連関係にある被拘禁者略取は国家の刑罰権にケンカを売っている形の犯罪ですので、それが原因で通常の単純な殺人よりも相当重くなりそうな気がします。

死刑判決か被害者に対して出る見込みが全くなかった場合、逆にほぼ確実だった場合でも、あるいは、すでに確定死刑囚で明日死刑が執行される場合でも量刑には全く影響しません。人の命には軽重がないからです。

2015年06月03日 01時08分

この投稿は、2015年06月01日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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