業務上横領の執行猶予判決と高額な示談金について

私の同僚ですが、4年間に渡り会社の金銭を横領し横領額は750万円になります。
この横領額は同僚も認めていることを会社には伝えています。
同僚は迷惑料も含め1000万円の返済意思はあると言っていました。
支払原資も用意していますが、会社から請求されたのは1,400万円でした。

理由を尋ねると商品在庫高が650万円少ないのでその不足分も請求されました。
商品在庫の不足分は全く身に覚えがないことを何度も伝えましたが信じてもらえません。

会社は1400万円の弁済で示談にすると言ってきましたが本当に見覚えが無いと言っています。
また1400万円の示談に応じなければ刑事告訴し、迷惑料も含めて民事で2000万円の
損害賠償請求をすると言ってきました。

会社側は650万円分の在庫不足について同僚が650万円分の商品を社外に持ち出して
換金したと思い込んでおりますが立証は全く出来ないと言っています。


ここからが質問です。

① もし、刑事告訴となる前に横領した分の750万円を支払った場合でも、示談に応じて
  貰えなかったとたら判決は執行猶予付きとなるでしょうか。初犯です。

② 民事裁判では在庫差異の650万円については立証が出来ないので支払判決は出ないと
  考えていますが迷惑料として600万円(2000万円-1400万円)も請求することは
  妥当なのでしょうか。

③ この場合、示談金については弁護士に相談し間に弁護士に入ってもらった方が
  良いでしょうか。
  弁護士に入ってもらうと相手側の心象が悪くなるものでしょうか。

2015年12月14日 13時10分

みんなの回答

鈴木 崇裕
鈴木 崇裕 弁護士
ありがとう
刑事告訴された場合にどのような捜査がされるかは,捜査機関次第です。
本件は750万円の横領ということで金額が大きいですから,捜査機関も迅速に動くことが予想されます。
ここで重要なことは,刑事裁判の結果もそうですが,「逮捕されないようにすること」です。
捜査機関は,証拠隠滅や逃亡を阻止するために,逮捕・勾留する可能性があります。この場合,裁判を起こされる前に最大23日間,身体を拘束されます。
本人も罪を認め,示談の用意があり,逃亡の可能性もないのだとすれば,逮捕されないように弁護することも可能と思われます。
また,自首をするかどうかも検討すべきです。自首により,有利に働く可能性もあります。

ご質問内容については
① 起訴された場合,被害全部の賠償が済んでいれば,執行猶予付きの判決は十分に予想されます。できれば起訴されずに済ませたいというお考えはあると思いますが,金額が大きいため,容易ではないでしょう。
② 請求金額は原告が自由に設定できますが,認めるかどうかは裁判所次第です。「迷惑料」という名目では認められませんが,本件の調査に要した費用や,訴訟提起に要した弁護士費用などは,損害として認められ,実際の横領額よりも上乗せされる可能性は十分にあります。また,横領時から年5%の利息も課されます。
③ ご自身で不用意に対応されるよりも,弁護士に相談し,交渉を代理してもらうことをお勧めします。会社側の対応も,問題があるように思われます。横領額よりも大きな金額を請求し,それを払わなければ告訴+過大な損害賠償請求をするというのは,立場に乗じた不当な請求のように思われます。もちろん,横領の責任は取らなければなりませんから,どのあたりで決着するのか,きちんと見極めて進めて行くことが肝要です。

2015年12月14日 14時02分

相談者
鈴木 崇裕 弁護士 様

迅速の回答ありがとうございました。
ご回答の中に自首とありましたがこれは会社側が会社が被害届や告訴状を
提出する前のことでしょうか。
横領罪は親告罪なので被害届を提出する前に自首しても警察は取り合って
くれるものでしょうか。自首した場合はそのまま拘留でしょうか。

同僚は直ぐにでも横領額だけはを振込みたいみたいですが
会社からまだ待って欲しいと言われているようです。
勝手に振込んでも大丈夫なものでしょうか。

②の回答についてですが、訴訟提起に要した弁護士費用というのは、
会社側が弁護士に支払った着手金や成功報酬ということでしょうか。

今回の横領の調査に会社の従業員3人を1日3時間程度勤務時間内で
捜索に2ヶ月ほど駆り出しています。
この場合も本来の従事する仕事を取りやめて捜索をしていた分として
人件費として請求すると言っていますが可能なのでしょうか。

外部の人間を雇って調査していないので実質的な費用は発生していません。
従業員のみです。
認めるかどうかは民事の裁判官の判断次第とことでしょうか。

③の回答ですが、1400万円支払ないと刑事告訴すると何度も言われました様です。
会話は録音ししていません。今後録音しておいた方が有利になりますか?

本人も深く反省として1000万円は支払うつもりですが1400万円は法外と
考えているようです。仲の良かった同僚なので、私個人しては650万円の
上乗せは非常識と考えています。

最後に、
650万円の在庫差異ですが、いくら民事でも原告側が立証不可であれば
それを支払えと言う判決はあるものなのでしょうか?


2015年12月14日 14時34分

鈴木 崇裕
鈴木 崇裕 弁護士
ありがとう
横領罪は親告罪ではありません。
※例外的に親族間の横領罪のみ,親告罪となります。
また,自首の規定による刑の減免は
・捜査機関が犯罪の事実を全く知らない場合
・捜査機関が犯罪の事実は知っているが,犯人が誰だか全く分からない場合
に自首したときに発生します。現時点は前者と考えらえるので,自首自体は有効ですし,横領の証拠(送金の履歴等)があれば,捜査機関も取り合ってくれるでしょう。
ただし,詳しい状況が分からない以上,現時点で自首をお勧めしているものでは全くないことはご承知置きください。
事案やご本人のご意向を総合的に判断し,自首した方が良い場合もあるという程度に留まります。

会社に発生した損害は,訴訟を起こすために弁護士に支払った費用や,本件の調査に要した従業員の人件費ということになります。これらは横領がなければ支払わなくて済んだ費用です。
人件費についても,横領がなければ従業員は会社の別の業務ができましたので,やはり損害として認められる可能性があります。

1400万円請求すると言われたこと自体が何か有利になるということは直接的には考えにくいですが,録音できるのであればしておいた方が良いでしょう。

650万円の在庫紛失(差異)については,立証ができなければ損害賠償を命じられることはありません。横領の対象が現金(預金)であるのに対し,在庫紛失の対象は在庫(物)ですので,「横領したんだから在庫も紛失したはずだ」という理屈が認められる可能性は,高くは無いと思います。
もっとも,具体的な見通しについては,横領の内容,在庫紛失の内容等を把握しないとお示ししにくいです。

2015年12月14日 14時45分

相談者
鈴木 崇裕 弁護士 様

迅速の回答ありがとうございました。
鈴木崇裕弁護士様のご助言を同僚に連絡しました。
色々と悩んでいるようです。

見覚えのない横領まで自分(同僚)に支払いを迫っていることが
どうしても合点がいかないようです。

かと言って、
1400万円払わなければ、刑事告訴されれば逮捕⇒起訴されてしまい
同僚の人生は破綻します。
勿論奥さんと離婚になり一家離散になると話してました。

1,400万円払えば会社とは示談になるので家族には内緒で済むので1,400万円での
示談を考えているようです。
納得はいきませんが家族のことを考えると受けざる終えないとも話してました。

当人も弁護士を間に入れて会社と和解を強く考えていますが会社は弁護士を
入れたら即刑事告訴と言われているようです。
なんか脅迫とも取れますね。

最後に1つ質問します。
横領が発覚した際に会社の取り調べで在庫の違算(差異)についても弁済しますと
調書に署名捺印したそうですが、民事裁判になった場合、
その調書は有効なのでしょうか?

会社側はこの調書があるので民事で同僚が憶えが無い在庫差異も請求でする。
と言っているようです。

2015年12月14日 15時51分

鈴木 崇裕
鈴木 崇裕 弁護士
ありがとう
会社に対して,在庫の違算についても弁済するという旨の調書を差し入れたのであれば,民事訴訟において一定の証拠にはなります。
しかし,その調書の文言の内容や,その調書を作成した理由等によっては,証拠として使われないようにすることもできますし,その調書があるから絶対に負ける,ということでもありません。

なにより「弁護士をいれたら告訴する」という会社側の対応は,あまりに横暴なように思います。
弁護士に相談したとしても,弁護士が表に立って交渉をする場合もあれば,弁護士は裏方として気付かれないように交渉を支援するという場合もあります。

また,「会社の求める金額で示談できなければ告訴されて逮捕され,起訴される」
という前提自体が誤っている可能性もあります。

もちろん最終的なご判断はご自身ですべきことですが,きちんと専門家に相談してから判断をすることを,強くお勧めいたします。

2015年12月14日 16時31分

相談者
鈴木 崇裕 弁護士 様

迅速の回答ありがとうございました。
やはりその旨の調書を差し入れたことは一定の証拠となるのですね。
しかしどの在庫の商品をと具体的に記載はしていないそうです。

同僚に鈴木崇裕弁護士様の意見を伝えたいと思います。
色々とありがとうございました。

2015年12月14日 16時59分

この投稿は、2015年12月14日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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