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「食べ放題店」にタッパー持参して食材「持ち帰り」ーー勝手にやったら犯罪?
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「食べ放題店」にタッパー持参して食材「持ち帰り」ーー勝手にやったら犯罪?

食べ放題の店で、客がタッパーやビニール袋に食材を入れて持ち帰ろうとしているが、警察に通報してもいいのだろうか――。バイキング形式の「食べ放題」飲食店に勤務する人から、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに相談が寄せられた。

持ち帰ろうとする客に対して、「お持ち帰りはご遠慮ください」と警告すると、その場では「もうしません」と答えたそうだが、後日、来店した際に、また持ち帰ろうとしたという。客席に「食材の持ち帰りはご遠慮ください」と表示しているにもかかわらず、持ち帰りは後を絶たない。

相談者は「犯罪ではないか」と考えて、警察への通報も考えているが、実際のところ、食材の持ち帰りは「犯罪」になる可能性があるのだろうか。渡邊兼也弁護士に聞いた。

●窃盗罪が成立する可能性

「食べ放題の飲食店で、客が、店に無断で包装容器等に食材を入れて持ち帰ろうとした場合、窃盗罪(刑法235条)が成立する可能性があります。

飲食店で食べ放題のメニューを注文した場合、通常、飲食店側は『決められた時間内に客が店内で飲食する限り、どれだけ注文しても料金を一定とする』というサービスを実施しているのであって、そのサービスの内容に、客が店外に食材を持ち帰ることまで当然に含んでいるわけではありません。

飲食店側が持ち帰りを承諾した場合は、窃盗罪が成立しない可能性もありますが、いずれにしても、食べ放題だからといって当然に持ち帰りが許されるわけではないので、注意が必要です。

一方、飲食店側としては、持ち帰りを禁止していることを店内に明示した上で、従わない客に対しては注意したり、悪質な場合には入店を断ったり退店を促すなどの対策が必要です」

渡邊弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

渡邊 兼也
渡邊 兼也(わたなべ けんや)弁護士 隼綜合法律事務所
愛知県弁護士会所属。相続等の家事案件のほか、企業法務・刑事事件など、多岐にわたって業務を取り扱っており、最近はインターネット問題に関しても注力している。

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