日本の刑事裁判で99.9%有罪判決は本当ですか?

痴漢冤罪事件をテーマにした映画「それでもボクはやってない」
の中で、日本の刑事事件の裁判で99.9%は有罪の判決と言っていたのですが本当ですか?
それは映画の中だけの話ですか?
ピンクグレープさん
2014年11月18日 02時29分

みんなの回答

渡邊 幹仁
渡邊 幹仁 弁護士
犯罪・刑事事件に注力する弁護士
弁護士が同意1
ありがとう
本当です。

その要因としては2つ考えられます。

1つは、刑事事件では被告人が最初から罪を認めている場合が多いことです。
この場合(そうであっても証拠がないと有罪にできないのですが)無罪になることは基本的にありませんので、結果的に有罪率が上がることにつながります。

2つ目は、有罪率は起訴された事件についてのものだということがあります。
起訴するか否かは検察官が判断しますが、確実に有罪にできると考えるものしか起訴しません。
つまり、検察官が必ず勝てると考える試合しかしないということです。

これについては、裁判官が有罪を出すことに慣れてしまっていて、本当に無実の場合でもなかなか無罪を出せないということに繋がってしまっているという批判があります。


2014年11月18日 04時44分

ピンクグレープ さん (質問者)
渡邊幹仁弁護士、質問にお答えいただきありがとうございます。
日本の刑事裁判で99.9%は有罪判決というのは、映画の中だけの話ではなく本当ということですね。

こちらもまた「それでもボクはやってない」の映画のシーンにあったのですが、
 裁判官が無罪判決を出すことは、国家権力(検察、警察)に 楯突くことだから、
 自分の利益には(出世の材料)ならず、その裁判官は左遷される
というのは本当ですか?

2014年11月18日 23時09分

渡邊 幹仁
渡邊 幹仁 弁護士
犯罪・刑事事件に注力する弁護士
ありがとう
必ずしもそうとは言えません。

確かに裁判官が有罪判決を書くのに慣れてしまっている(逆に無罪判決を書くのになれていない)という傾向がありますが、必要な場合には無罪判決を出すこともありますし、無罪判決を出したこと自体を理由として処遇上不利に扱われるということもありません。

この点については、例えば木谷明氏(元裁判官)の著作などが参考になります。

2014年11月19日 04時50分

ピンクグレープ さん (質問者)
「無罪判決を出したこと自体を理由として処遇上不利に扱われるということもありません」
と言いますが、渡邊幹仁弁護士は本当に自信を持ってそう言えますか?

例えば、布川事件の冤罪被害者の桜井さんは講演の中で
「検察・警察・裁判所が一体となった冤罪作りを許さない」
とおっしゃっていますよ。

2014年11月19日 06時51分

渡邊 幹仁
渡邊 幹仁 弁護士
犯罪・刑事事件に注力する弁護士
ありがとう
無罪判決を出したこと自体を理由として処遇上不利に扱われることはないでしょう。

さきほどご紹介した木谷明氏は、裁判官として在任中30件ほどの無罪判決を出していますが、最高裁判所調査官や地裁所長、高裁の部総括判事(裁判長)などを務めています。
これは処遇上不利に扱われているとは言えないと思います。

ただし、最初の回答でも述べさせていただいたとおり、多くの刑事裁判官が有罪判決を書くことに慣れておりますので、無罪判決を書くには勇気がいる行為だということはあると思います。
そして、(あまり根拠がないなど)内容が粗末な無罪判決を書けば、控訴、上告されることになるでしょうし、そうされたあと上級審では逆転の判断が下ることもあります。そして、その上級審の判断の中で批判されることになるでしょう。
そうなった場合に、その最初の判決を書いた裁判官の評価が下がるということはないわけではないと考えられます。

布川事件においても、担当した裁判官(裁判所)が無罪を発見できなかった(そういう意気込みもなかった)という意味で批判されているのだと考えられます。

2014年11月19日 09時56分

ピンクグレープ さん (質問者)
「(あまり根拠がないなど)内容が粗末な無罪判決を書けば~」
というのは、決して無罪判決においてだけ言えることではなく、
有罪判決であっても同じことですよね?

裁判の中で無罪判決だってあって当たり前なのに、有罪が当たり前のようになってしまっている現状。

やはり渡邊幹仁弁護士としても警察・検察・裁判官のデタラメさを世間に知らせていくことが必要だと思いませんか?

2014年11月27日 11時23分

荒川 和美
荒川 和美 弁護士
弁護士ランキング 登録弁護士が過去30日における弁護士ドットコム内で行った活動(みんなの法律相談での回答など)を独自に数値化、ランキングしたものです。 愛知県2
ありがとう
警察・検察・裁判官のデタラメさ
すべてがデタラメというわけではありません。抽象的に有罪率を問題にする、検察・警察・裁判所をバッシングする、関係者個人を非難する、これだけでは解決策は出てきません。複数の冤罪事件の支援活動をしており、冤罪被害者、弁護団ともお付き合いがありますが、再審請求の審理内容をつぶさに見ての実感です。単におかしいと訴えるだけでは何も変わらないのです。
無罪の推定がないがしろになるような刑事訴訟法の原理原則に反する運用たとえば、人質司法と言われる代用監獄の問題や自白偏重の取り調べや自白の取扱い、証拠開示の不十分さ、無罪の推定と言えない証拠の評価や法解釈など、具体的事件でも、立法論でも、法運用面でも、変えていく方策を提起してゆく必要があります。
布川事件の冤罪被害者の桜井さんが言っている「検察・警察・裁判所が一体となった冤罪」という訴えもさらに具体的取り組みにコミットしています、「それでもボクはやってない」の映画もそういう観点ですし、冤罪問題に取り組んでいる弁護士、市民、冤罪被害者も同じ観点に立っていると思います。

2014年12月01日 21時15分

荒川 和美
荒川 和美 弁護士
弁護士ランキング 登録弁護士が過去30日における弁護士ドットコム内で行った活動(みんなの法律相談での回答など)を独自に数値化、ランキングしたものです。 愛知県2
ありがとう
日弁連は、以下のように提起しています。
日本の刑事司法は、変化の兆しはあるものの、未だ「自白中心主義」、「人質司法」と批判される状況を脱していません。捜査の中心が取調べに置かれ、捜査機関はあらゆる事件で自白調書を得ようとします。そのためには、捜査機関は犯人と疑えば、無実を訴える被疑者を当然のように警察の留置施設(代用監獄)に長期間拘束して、密室の取調室で長時間取り調べて自白を得ようとします。
密室での取調べによって生み出される自白は、往々にして、ありもしないことを語った虚偽の自白となります。自白がなされると、被告人が法廷で無実を訴えても、裁判所はこの自白調書を重視して判決を下します。こうした一連のメカニズムがえん罪発生の大きな原因となってきました。最近でも、志布志事件、氷見事件、引野口事件、足利事件、布川事件といった冤罪事件が明らかになっています。
裁判員裁判や被疑者国選弁護制度は、こうしたメカニズムを打破する役割が期待されますが、違法な取調べとそれによるえん罪を防ぐには、例えば取調べの可視化(取調べの全過程の録画)が必要です。
日弁連は、刑事分野での様々な課題の改革・改善に向けて、調査研究と立案そして運動を展開しています。

弁護士に問いかけるなら、こうした活動に加わべきことを問いかけるべきでしょう。


2014年12月01日 21時17分

この投稿は、2014年11月18日時点の情報です。
ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

関連度の高い法律ガイド

痴漢で逮捕されたときの刑罰や流れ、示談などの対処法

ご家族が痴漢の容疑で逮捕された場合、その後どのようになってしまうのか心配になるでしょう。痴漢は冤罪事件も多く、正しい対処法をとることで、早く...

痴漢被害に遭った際にできる法的な対処 - 被害届・告訴状の提出や慰謝料請求

不運にして痴漢被害に遭ってしまったら、犯人を正当な手続きによって罰したい、二度と痴漢をしないでほしい、金銭で償いをしてほしいと考える方が多い...

配偶者が刑事事件で有罪判決を受けたことを理由に離婚できるのか

配偶者が何らかの犯罪をしたという疑いで逮捕・起訴され、有罪判決を受けた場合、家族の受けるショックは計り知れません。配偶者が有罪判決を受けたこ...

冤罪事件に巻き込まれたら - 無実の罪を晴らすためにできること

無実の罪で、逮捕され、裁判にかけられた挙句、有罪判決を受け、刑罰を課される冤罪事件。死刑判決を下された場合には、死の恐怖と数十年にわたって向...

この相談に近い法律相談

  • 6月21日(火)に裁判で求刑2年半と言われました。

    判決はどのくらいになりますか?

  • 酒気帯び裁判。今後判決はどうなるでしょうか?

    9年前(平成14年)に酒気帯び違反(普通自動車)裁判で懲役3ヶ月執行猶予1年6ヵ月になり、去年(平成22年)10月に再び酒気帯び運転(100ccスクーター)で捕まり5月に裁判となります。スクーターは処分し、今後の監督者2名、反省文を提出いたします。家庭もあり7月に子供も誕生します。今後判決はどうなるでしょうか?また裁判の回数は何回もある...

  • 裁判の手数料[i:159]

    東京高等裁判所から最高裁判所に裁判が変わる時、裁判手数料いくらですか[i:159] 東京高等裁判所来月判決です。

  • 裁判。最初から最後まで

    普通の刑事(民事)事件の裁判は 初公判から判決まで 何回裁判をやるんですか?

  • 裁判について

    裁判についてです。 通常裁判と裁判員裁判と両方で起訴された場合、裁判(判決)が併合する場合と別々での判決(両方で出た判決がプラスされる)があると聞きました。 例) 1、通常では3年、裁判員の方で通常裁判をふまえて6年。 2、通常では3年、裁判員の方で5年。プラスで8年。 罪名がいくつかつき、通常裁判と裁判員裁判に分け...

法律相談を検索する

弁護士に依頼することを検討中の方はこちら

複数の弁護士にまとめて見積り依頼
費用対処方針比べて選ぶことができます。

  • 弁護士費用がいくらかかるか知りたい
  • 弁護士の選び方がわからない
  • 弁護士が何をしてくれるか知りたい
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

痴漢に注力する弁護士

よく見られているキーワード一覧

最近検索されたキーワード

法律相談を検索する

新しく相談する無料

痴漢の法律ガイド

関連カテゴリから解決方法を探す

弁護士に相談しようと思ったら…

弁護士に見積り依頼をする

複数の弁護士にまとめて見積り依頼

  • 最短3分で依頼完了
  • 依頼内容は非公開
  • 分野に詳しい弁護士から見積り依頼が届く
一括見積りをはじめる無料

依頼前に知っておきたい弁護士知識

犯罪・刑事事件のニュース

  1. 間違った使い方してるかも?旅館で見かける「...
  2. AVの「本番至上主義」は本当にクリエイティブ...
  3. 小4女児死亡、「訴訟を起こす」に屈した市教...
  4. 日弁連、弁護士の横領被害に207万円支給 201...
  5. 詐欺加害者の転居情報回答義務、最高裁は判断...
  6. 「児童ポルノDVDを持ってたら、今すぐ破壊し...
  7. ゴーン氏、家族と面会できず、弁護士も立ち会...

活躍中の弁護士ランキング

犯罪・刑事事件の分野

ピックアップ弁護士

をお選びください。

弁護士回答の中から一番納得した回答に、「ベストアンサーに選ぶ」をつけることで、
回答した弁護士に最も高い評価を与えることができます。

ベストアンサー以外にも「ありがとう」をつけることができます(複数可)。弁護士へのお礼も兼ねて投票へのご協力をお願いいたします。

※万が一、納得のいく回答がない場合は、「ベストアンサーを選ぶ」をつけずに、投票を終了することもできます。