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職場で借金を頼みまくり、上司から3度目のおとがめ…いよいよ懲戒処分もやむなし?

職場での金の貸し借りが上司にバレた。懲戒処分を受けても仕方がないかーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに、ある男性からの相談が寄せられました。

相談者は、職場の後輩に借金の申し入れをしましたが、後輩から「余裕がない」と断られたため、「要らぬ心労をかけたことを謝罪」し、「他の人にもこの話しは漏らさないで欲しい」と伝えたそうです。

ところが、借金の申し入れがあったことを後輩が外に漏らしたらしく、相談者は上司と総務から尋問を受けることに。実は相談者は過去に2回、職場内での借金について上司から注意され、再発防止を書面で誓わされていたそうです。今回、3度目の借金申し入れについて顛末書の提出を求められ、それを踏まえて懲戒に値するか検討すると伝えられました。総務からは、パワハラの可能性もあると指摘されたそうです。

相談者は「借りたらきっちり返済していますし、借りても借りれなくても心労や迷惑をかけたことの謝罪をし、その後の対応に差をつけたりもしていません」と弁明します。職場での借金を理由に、懲戒処分を受ける可能性はあるのでしょうか。戸田哲弁護士に聞きました。

 ●ポイントは「企業秩序」を乱すかどうか

懲戒処分とは、企業秩序を乱した場合に「制裁」として課されるものです。つまり、会社内部での刑罰のようなものです。

就業規則では、職場内でのお金の貸し借りが一切禁止され、懲戒処分の対象と定められているケースがよく見られます。社員の間で金銭の貸し借りがされた場合、返済が滞った場合にトラブルに発展する可能性があるのはもちろん、滞らなかったとしても、お金の貸し借り自体で、人間関係が悪化する可能性があるからです。

もちろん、ご飯代やジュース代などのように少額の立替であれば、企業秩序に大きな影響は起きにくいので、単なる注意だけにとどまることも多いでしょう。

しかし、今回、相談者は職場内での借入を理由に、既に会社から2回注意されていますので、仮に金額が少なくても懲戒処分を受ける可能性があります。実際には借金の申し入れは断られたとのことですが、人間関係の悪化をもたらす点は同じであり、借金禁止に類する行為になり得ます。ただこの点は、就業規則の根拠規定をしっかりチェックする必要があります。

あり得る懲戒処分の内容としては、借金の金額が大きい場合や、滞納して社内で大きなトラブルになっている場合でもない限りは、口頭注意や始末書の提出などにとどまるのが通常です。不当に重い処分がされた場合、懲戒権の濫用(労働契約法15条)になる可能性があるので、弁護士への相談をお勧めします。

ところで、相談者は会社からパワハラの可能性を指摘されたようですが、パワハラというのは、職場上の地位を利用して、精神的・身体的苦痛を与える行為です。借入を申し込む際に、相手の人格を侵害するような不当な言動がある場合などは別ですが、単に借入の申し込みをしただけでパワハラに該当する可能性は低いでしょう。

取材協力弁護士 戸田 哲 (とだ さとし)弁護士
千葉県弁護士会労働問題対策委員会副委員長。労働者側・使用者側の双方の事件を数多く取り扱い、「労働」分野の総合対応を強みとする。労働事件専門講師経験も多数(弁護士会主催研修、社会保険労務士会主催研修、裁判所労働集中部主催労働審判員対象研修等)。
西船橋法律事務所

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