「破産者の個人情報拡散防いで」 日弁連が国に意見書提出

日本弁護士連合会(日弁連)はこのほど、破産者などの個人情報がネット上で拡散しないように防止措置を求める意見書を取りまとめ、7月28日に内閣総理大臣や財務大臣、個人情報保護委員会委員長に提出した。


具体的には、(1)破産手続きなどをした人の個人情報を、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」として政令で定めることと、(2)破産者の個人情報などが掲載されている「インターネット版官報」の情報をプログラムなどで自動取得できないように技術的措置を講ずることを求める。

そもそも、自己破産や民事再生などの破産手続きを行うと、官報に破産者などの氏名や住所といった個人情報が掲載される。官報の内容は「インターネット版官報」として、インターネット上でも公開される。つまり、原則として、誰でも破産者の個人情報にアクセスすることはできる。ただし、官報に掲載する目的は、「多数当事者に対して裁判を告知」し、「裁判の告知を受けた利害関係者の権利行使の機会を保障」するためだ。

過去には、自己破産した人の氏名や住所をGoogleマップにプロットして、地図上で確認できる「破産者マップ」というサイトが開設され、「破産者のプライバシーを侵害している」と批判の声が上がった(現在は閉鎖)。

日弁連は、インターネット版の官報に掲載された情報を集めてネット上で拡散することは、「多重債務者に破産の手段を採ることを委縮させ、経済的更生の機会を奪うことになりかねない」「情報が拡散することによって不利益な取扱いを受ける可能性も高い」と問題視する。

日弁連の消費者問題対策委員会で副委員長を務める板倉陽一郎弁護士は、弁護士ドットコムタイムズの取材に対し、「『破産者マップ』の開設以降、個人情報が拡散されていることを苦痛に感じた破産者から全国の弁護士に相談があった」と振り返る。「現在も類似のサイトが開設されている」として、意見書を出す必要性を強調した。

改正個人情報保護法が6月に成立したことに伴い、政令改正のパブリックコメントが予定されている。今後は、パブリックコメントとしても同様の意見を発信していく方針という。

※画像は日本弁護士連合会ホームページ
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