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◆ 奨学金の時効については注意すべき点があります。
◆ 一つ目は、貸金業者の債権とは違って、時効期間は5年ではなく10年だということです。
◆ もう一つ目、これが弁護士でもよく間違えるのですが、貸金業者との間の契約は、分割払の支払を怠ると一括で支払わなくてはならなくなるという期限の利益喪失約款があるのですが、期限の利益を喪失すると、そこから「全額」につき時効が進行します。したがって、期限の利益喪失後5年を経過すれば、その間に時効中断(更新)事由が発生していない限り、時効が完成することになるのです。
ところが、奨学金の場合は、期限の利益喪失約款というものがないので、分割払金の返済期が経過した毎に、「個々の分割払金についてのみ」時効が個別的に進行します。貴殿は、2009年を最後に返済をやめたとのことですが、その後に発生する分割払については、当該分割払金の返済期限を経過しないと時効が進行しないのです。
ですので、時効中断(更新)事由がないとしても、今、時効にかかっている債権は、2011年3月までに発生した分割払金のみで、2011年4月以降に返済期限が到来した分割払金については、まだ、時効が完成していないということです。
◆ もともとの返済予定表(償還表)がどうなっているのかによって、時効にかかっている債権と時効にかかっていない債権がどの程度あるのかが分かると思いますので、よく確認しておいて下さい。
◆ それと、奨学金債権者は、貸金業者と違って、というより、貸金業者より融通がききません。利息損害金をカットして欲しいと言ってもダメと言ってきますし、奨学金債権者の納得がいく内容での分割払いにしか応じません。また、奨学金債権者は、堂々と時効にかかった債権も訴訟で請求してきます。
ですので、前述したように、「償還表」をしっかりチェックして、時効にかかっている債権については、しっかり時効の援用をなされるべきです。
◆ 債務承認発言(払いたくも払えないですというような発言)はしていませんよね。こういう発言は「債務はあることはわかっている」という発言として、時効中断(更新)事由だと相手に主張されるリスクがあります。
もう二度と電話はしないで下さい。貴殿の発言は録音されているので要注意です。
書面で戦って下さい。
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