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締切直前に慌てないために・・・今から準備すべき「確定申告」のポイント

締切直前に慌てないために・・・今から準備すべき「確定申告」のポイント

自営業やフリーランスには必須となる「確定申告」。締切の3月15日まで、あと5カ月ほどだ。面倒くさい確定申告の作業。毎年ギリギリまで後回しにしたあげく、直前に領収書の束と格闘するのが恒例――という人も少なくないだろう。

だが、申告準備に追われて、本業に差し支えたら本末転倒だ。子供の夏休みの宿題と一緒で、計画性を持って早めに準備しておくのがよさそうだが……。確定申告を楽に終わらせるため、今からやっておくことは何かあるのだろうか? 税理士の藤間秋男氏に聞いた。

●決算書の作成のため、領収書や請求書を整理しておく

確定申告とは、税金を納付したり、払いすぎた税金の還付を受けるために、1年間の収入や所得を税務署に申告する制度だ。そこで、確定申告のためには、自分の収入や所得がどれだけあるのか、証明する書類が必要となる。

「収入と所得を証明する書類として、給与所得者や年金受給者の場合は『源泉徴収票』があればいいのですが、事業所得や不動産所得がある人は、『決算書』か『収支内訳書』が必要となります。優遇措置がある青色申告の場合は決算書を作らなくてはいけませんが、白色申告の場合はより簡単な収支内訳書でよいとされています」

自営業やフリーランスは「事業所得者」にあたるので、決算書か収支内訳書を提出しないといけない。そのために、どんなことを準備すべきなのだろう。

「決算書や収支内訳書を作成するために、事前に整理すべきことを簡単に示すと、次のようになります。

(1)領収書: 月ごと日付順に整理する

(2)請求書: 相手ごとに整理する

(3)売掛・買掛の確認: 売上・仕入等のもれがないか確認する

(4)前払費用・未払費用の確認: 前払または未払の賃借料・給料賃金・燃料費・光熱費などがないか確認する

(5)減価償却資産: 10万円以上の資産によるものの請求明細・領収書により台帳を作成する(中古のものは、製造年月日を確認)

(6)自家消費の集計」

●確定申告書に添付する「控除証明書」には、どんなものがある?

所得税を計算するときは、仕事で得た「収入」そのものに課税されるわけでない。もともとの収入からさまざまな費用を控除した「所得」に対して課税されることになる。控除される金額が大きければ大きいほど、所得は小さくなり、結果として納税額も小さくなる。したがって、どれだけ控除されるかは重要な問題だが、そのためには各種の証明書が必要だ。

「確定申告書に添付する控除証明書として、生命保険や地震保険、小規模企業共済掛金などの控除証明書があります。社会保険料も控除の対象になりますので、納付書等を準備しておきましょう」

ところで、給与所得者は通常、会社が「年末調整」によって税金関係の処理をしてくれるので、確定申告をしなくてもよい。だが、例外もあるので、注意が必要だ。

「年末調整で処理できない所得控除項目の主なものとして、『医療費控除』があります。診療代・治療代・入院費等の領収書について、かかった人別、病院別に集計しておきましょう。市販の治療薬も医療費控除の対象となるので、領収書を保管しておきましょう」

サラリーマンだとほとんど縁がない確定申告だが、自営業やフリーランスにとっては、重要な意味をもつ。もし疑問に思うことがあれば、最寄りの税務署に相談してみるのもいいだろう。

【取材協力税理士】

藤間 秋男(とうま・あきお)

税務・会計に留まらず、経営や人事・労務など総合的なサービスをワンストップで提供している。経営者を「明るく・元気・前向き」にすることがTOMAグループの使命として、会社の成長フェーズごとに異なるあらゆる課題に対応している。

事務所名:TOMA税理士法人

事務所URL:http://www.toma.co.jp/

(弁護士ドットコムニュース)

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