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「国民はいつ地雷を踏むか分からない」 社民・福島氏「秘密保護法案」の問題を指摘
「特定秘密保護法案」の問題点を指摘する福島瑞穂議員

「国民はいつ地雷を踏むか分からない」 社民・福島氏「秘密保護法案」の問題を指摘

安倍政権が今秋の臨時国会で成立を目指している「特定秘密保護法案」。安全保障に関する機密の保護を目的にしているとされるが、日弁連などから「国民の知る権利や表現の自由を侵害する恐れがある」と批判も出ている。

政党では、秘密保護法に批判的な姿勢をとる社民党の福島瑞穂参議院議員が9月13日、ニコニコ生放送の番組で、「何が『秘密』とされるかが外から分からない。一般の人がこれまで普通にやっていたことが犯罪とされる恐れがある」などと問題点を指摘した。

秘密保護法案は、国家の安全保障に関する事項のうち特に秘匿を要するとされるものを「特定秘密」と指定して、その情報を漏らした公務員や漏洩に関わった一般人に対して、厳しい罰則を課すというもの。対象となるのは、(1)外交(2)防衛(3)安全脅威活動の防止(4)テロ活動防止の4分野とされている。法案はこの秋の臨時国会に提出される見込みで、9月17日までパブリックコメントの募集がおこなわれている。

福島議員によると、秘密保護法案では、「特定秘密」の指定対象となる事項が広範囲で曖昧なことから、TPPや原発など幅広いテーマについて、政府にとって都合の悪い情報が表に出てこなくなる恐れがあるという。

番組では、視聴者から「TPPがどうして秘密指定されるのか分からない」といったコメントも寄せられた。これに対して福島議員は、「たとえばTPP交渉だって『外交上の事項』とすれば秘密にできるし、原発も『テロ対策』の名のもとに情報が隠されてしまうかもしれない」と回答。「情報は民主主義の貨幣。政府が不都合な情報を出さなくなれば、国民は判断できなくなる」と述べた。

そのうえで、漏洩すると処罰される「特別秘密」を国が決める仕組みについても言及し、「『何が秘密であるか』ということ自体が秘密にされ、国民はいつ地雷を踏むか分からないということになる。これまで普通にやってきたことが犯罪とされ、本人が大丈夫と思っていても処罰される可能性がある」と危機感を募らせた。

特定秘密保護法案に関するパブリックコメントの締切は、9月17日いっぱい。郵送(当日消印有効)とファクスのほか、メールでも意見を寄せることができる。詳細は、パブリックコメントのページ(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060130903)に記載されている。

(弁護士ドットコムニュース)

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