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「すき家」店員が「もう無理です」と倒れていた・・・病院に搬送されたときの状況は?
画像は、「すき家」六本木五丁目店(2014年9月撮影)

「すき家」店員が「もう無理です」と倒れていた・・・病院に搬送されたときの状況は?

牛丼チェーン「すき家」の店員が「もう無理です」と悲鳴をあげて倒れていた――。このような目撃談が4月19日、ツイッターに投稿されて注目を集めた。すき家を運営するゼンショーホールディングスに、弁護士ドットコムニュースが取材したところ、東京都内のすき家の店員が同日、病院に救急搬送されていたことがわかった。

●店員は「ずっと忙しくて限界」と話した?

ツイートによれば、投稿主が東京・高円寺の「すき家」に入店すると、客が食べ終わったあとの食器が席に放置されたままだった。そこに、厨房から「もう無理です…!うう」と悲鳴のような声が聞こえた。何事かと思って、厨房の中をのぞくと、一人の店員が倒れていた。店員は「ずっと忙しくて限界」と話したのだという。

はたして、本当にこのような出来事はあったのだろうか。ゼンショーホールディングスの広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの電話取材に対して「店員が倒れて、緊急搬送されていた」と説明した。

搬送されたのは、すき家の高円寺駅南口店で働く男性アルバイト。日曜の昼下がりである4月19日の午後2時40分ごろ、東京すき家の本部に「体調が悪くなった」「呼吸が苦しい」「目がクラクラする」と電話で連絡があったという。

本部がすぐに救急車を手配し、店員は病院に搬送された。幸いにも、救急車が到着するころにはある程度回復しており、病院の検査でも「異常なし」という結果だったという。店員は持病もなく、「初めての経験だった」と話しているそうだ。

●シフト上は「2人体制」だったが・・・「ワンオペ」が起きていた

すき家は、深夜にアルバイトが一人で店をまかされる「ワンオペ」が過酷すぎるなどと批判されたことを受け、現在、全社をあげて労働環境の改善に取り組んでいる。その中心的な施策として、「深夜のワンオペ」は廃止された。だが、昼間は、一部店舗でワンオペが生じているという。今回の事態は、どんな状況で起きたのだろうか。

ゼンショーホールディングスの広報担当者は「この店員は、平均8時間勤務を続けており、超過労働があったわけではない」と説明する。また、この店の当日のシフトは本来「1人体制(ワンオペ)」ではなく、「2人体制」となるはずだったが、どうしてもシフトが埋まらなかったため、店員が「ワンオペ」で店を回していたのだという。

さらに、このシフト状況は、店舗から「エリア担当マネジャー」まで報告があったが、その上層の「ブロック担当マネジャー」までは伝わっていなかった。広報担当者は「本来ならば、緊急のヘルプが入る仕組みになっていたが、伝達がうまくいかず、スタッフとお客さまに迷惑をかけてしまった」と話す。

特に問題がおきた4月19日は日曜日だったため、店舗マネジャーが休んでいたことも響いたようだ。このような事態は恒常的だったのではないのか聞いたところ、広報担当者は「この日だけです。その前の週も、2人体制になっていた」と否定した。

今後については、広報担当者は「現在、『すき家』には人員を多めに投入するようつとめている。パソコンでアルバイトのシフトを管理するシステムをこの店に導入して、もっと早く気づけるように改善していきたい」と話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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