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「イスラム国弱体化のためには支配地域の住民を『支援』すべき」イスラム研究者が提案
現代イスラム研究センターの宮田律理事長

「イスラム国弱体化のためには支配地域の住民を『支援』すべき」イスラム研究者が提案

中東の過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件をめぐり、イスラム地域の情勢にくわしい現代イスラム研究センターの宮田律理事長が1月28日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、イスラム国弱体化のために、日本がイスラム国の支配地域に支援することを提案した。

【動画】現代イスラム研究センター宮田律氏 記者会見

https://www.youtube.com/watch?v=n2QRtYKrOh4

宮田氏は、2003年に起きたイラク戦争のあと、2011年に中東・北アフリカ地域で本格化した民主化運動「アラブの春」などを経て紛争地域が広がり、「イスラム国」が求心力を拡大したことを説明。「現状や将来に希望を持てない若者が世界的に増えており、暴力的な集団が支持を得ている」「(イスラム国には)世界の矛盾が凝縮されている」と語った。

今回のような人質事件を防ぐために、宮田氏は「イスラム国とその支配地域の住民たちの分断をはかることが、長期的にイスラム国の暴力を弱めることになる」と指摘。「イスラム国の支配下におかれている人々が忘れられている。日本が彼らに何らかの支援をしないと、彼らは今後、イスラム国を支持していくのではないか」と述べた。

現実はどうかというと、安倍首相が1月の中東訪問で「イスラム国とたたかう周辺国に2億ドルの支援を拠出する」と述べたことで、「日本に対するイメージが崩れている」(宮田氏)という。

そこで宮田氏は、イスラム諸国で難民支援活動をおこなう赤新月社などを介して、日本がイスラム国支配地域に対して、医薬品や食料などの「人道支援」をすることを提案。「国際的な批判は大きくないのではないか」と語った。

(弁護士ドットコムニュース)

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