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銭湯の「女湯」に男児、何歳までOK? 地方で異なる「年齢制限」

銭湯の「女湯」に男児、何歳までOK? 地方で異なる「年齢制限」

銭湯などの公衆浴場で、幼い子供が親と一緒に入浴する姿は、公衆浴場でよく見かける光景だ。だが、なかには小学生とみられる男児が母親と一緒に「女湯」に入ってくることに、不快な思いを抱いている女性もいるようだ。

女性向けの匿名掲示板サービス「GIRL’S TALK」には、小学3、4年くらいの男児が女湯で入浴することについて「不愉快に思ってしまう」という女性の投稿があった。「恥ずかしくないのかなと思うのですが、心が狭すぎですかね」と戸惑いの気持ちを吐露しつつ、「5歳くらいになったら男湯が良いような気がします」との意見を述べている。

この意見に対しては共感する声が多く寄せられており、「小学校の男の子は女湯ではなく、男湯に入ってほしい」「すごく嫌です!小学生くらいになると、女のひとの体をジロジロ見てきたりして気持ち悪い思いをすることもあります!」など、投稿者と同じような体験を書き込む人が少なくない。

●東京都の公衆浴場条例では「10歳以上」の男子は女湯に入れない

では、男児が女湯に入るのは、何歳まで許されているのだろうか。法律的に決められたラインはあるのか。実は、「男女が混浴できる年齢」は各都道府県の条例で定められているのだ。興味深いことに、その年齢は自治体によって異なっている。

たとえば、東京都の公衆浴場条例では、銭湯の経営者に「10歳以上の男女を混浴させないこと」を求めている。つまり、条例上は小学3年生の男児でも女湯に入浴できるということだ。なぜ10歳なのか。東京都環境保健衛生課の担当者は「混浴禁止の規定を設けたときに、子供の体つきや発育度、親御さんから独立して入浴できるかどうか、という観点などから決めたようです」と説明する。

一方、京都府の条例では、「7歳以上の男女を混浴させないこと」となっている。つまり、小学生になったら、男子はもう女湯に入るなということだ。その理由について、京都府生活衛生課の職員は「7歳という年齢は小学校に就学する年齢であり、通常一人で入浴が可能と考えられるから」と話す。それなりに合理的な理由と思えるが、なぜ東京よりも3歳も年齢が低いのか、その事情はよく分からないところがある。

これに対して、北海道の条例をみると、混浴させてはいけない年齢は「12歳以上」だ。東京より2歳上で、京都より5歳も上なのだ。その理由について、北海道保健福祉部の職員にたずねたが、明解な回答は得られなかった。条例が作られたころは地域によって子どもの発育に差があったということなのかもしれないが、その真相は定かではない。

このように男の子が女湯に入浴できる年齢は、地方によってばらつきがある。もしかしたら、北海道に住む11歳の男子小学生が京都に旅行に行ったとき、いつもと同じ調子で銭湯の女湯に入ろうとしたら年齢制限で入れてもらえない、なんてことが起きているのかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

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