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ヤフーが「検索結果とプライバシー」を考える「有識者会議」を設置、初会合開催
ネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害が理由で、「検索結果を消してほしい」と望む人がいる

ヤフーが「検索結果とプライバシー」を考える「有識者会議」を設置、初会合開催

検索大手ヤフーは、表現の自由とプライバシーの問題を通じて、検索サービスのあるべき姿を検討するための「有識者会議」を設置し、11月11日に初会合を開いた。

インターネットの検索サービスは、膨大な情報の中から、自分が求める情報にアクセスすることを可能にする、日々の生活で欠かせないサービスだ。その一方で、誹謗・中傷や個人のプライバシーにかかわる事柄など、「自分にとって好ましくない情報」を、検索結果から消してほしいという声が高まりをみせている。

この問題では今年、各地の裁判所が注目すべき判断を下し、注目を集めた。今年5月にEUの司法裁判所が出した判決は、「忘れられる権利」を認めたとして大きな話題を呼んだ。さらに10月には、日本の東京地裁が、グーグルに対して検索結果の削除を命じる仮処分決定を出している。有識者会議が設置された背景には、こうした動きもあるとみられる。

●「情報は、受け手に届かなければ価値をもたない」

有識者会議そのものは非公開だが、ヤフーは有識者会議を設置するにあたり、この問題についての基本的な考え方をウェブサイトで発表している。

発表によると、ヤフーはこれまで、「検索結果を削除すべきか」の判断を「慎重に行ってきた」という。その理由は、まず「恣意的に検索結果が操作されているとユーザーに受け止められることは、検索サービスに対する信頼を根本から損なってしまうおそれ」があるからだ。

また、情報を削除するかどうかの判断が難しい理由として、ヤフーは次のような説明もしている。

「検索サービスは、膨大なインターネット上の情報について人々の情報収集の手助け」となっている。「情報が受け手に届かなければ価値をもたないという意味では、検索サービスは、人々の情報発信、すなわち『表現の自由』の実現にも貢献」している。

このような理由から、検索サービスの提供者は、さまざまな価値を反映して、削除すべきか否かをバランスよく判断する必要があるのだという。今回の有識者会議は、ヤフーがこれから先、どのような判断をしていくべきなのかについて、外部の専門家から意見を聞く必要があると考えて、開催を決めたのだという。

●メンバーには「法律界のビッグネーム」がそろった

会議の委員長には、民法の大家である内田貴・東大名誉教授が就任。委員にも泉徳治・元最高裁判事など、ビッグネームが名を連ねている。有識者会議は今後、複数回開かれる予定。ヤフーはこの会議をふまえ、ヤフーとしての考え方をまとめて、2014年度中に公表する予定だとしている。

ヤフーがどのような結論を導き出すのか、注目が集まりそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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