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新しい祝日「山の日」が誕生!? 「サラリーマンの休日」に与える影響は?
「国民の祝日」が増えるかもしれない

新しい祝日「山の日」が誕生!? 「サラリーマンの休日」に与える影響は?

「国民の祝日」が増えるかもしれない。8月11日を「山の日」として祝日にする案が、超党派の国会議員連盟によって検討されており、来年の国会に「祝日法」の改正案が提出される見込みだと、報じられているのだ。

「8月11日」にした理由は、休日をこれ以上増やすことに反対する声が経済界などにあることから、お盆の時期に合わせたということらしい。「会社を休めない」と嘆く声が世間にあふれていることからすれば、祝日の増加は、サラリーマンにとって歓迎すべきことなのだろう。

だが、実際には、祝日だからといって休める仕事ばかりではない。そもそも、会社の「休み」と「祝日」の関係はどうなっているのだろうか。労働問題にくわしい白鳥玲子弁護士に聞いた。

●「山の日」に休めるかどうかは、就業規則しだい

白鳥弁護士によれば、祝日法(国民の祝日に関する法律)の3条1項に、「『国民の祝日』は、休日とする」という規定があるという。では、新しく「山の日」という「国民の祝日」ができたら、その日が必ず「会社の休日」になるのだろうか?

「残念ながら、それは違います」というのが、白鳥弁護士の答えだ。

「会社が強制的に守らなければならない労働基準法35条では、『使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない』と定めているだけです。

つまり、法律上は、休日にして労働者を休ませなければならないのは、原則として週に1日でよいとされています。新たに祝日ができたからといっても、法律上当然に休日になるわけではないのです」

だが、実際には「国民の祝日」を休日にしている企業は非常に多い。

「それは、就業規則(会社の内部の規則)で、『国民の祝日は休日とする』としている企業が多いからです」

つまり、「山の日」に休めるかどうかは、会社がそれぞれ定めている就業規則しだいというわけだ。

「労働者としては、休日について考えるとき、自分の会社の就業規則を見て、労働基準法(原則週1日)より広く休日が定められているかどうか、チェックする必要があります」

このように白鳥弁護士はアドバイスしている。これを機に、自分の会社は「休日」についてどのように定めているのか、あらためて確認してみるのもいいだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

プロフィール

白鳥 玲子
白鳥 玲子(しらとり れいこ)弁護士 城北法律事務所
茨城県つくば市出身。2005年弁護士登録(東京弁護士会)。労働事件(労使双方)を専門とするほか、遺言書作成・遺産分割・離婚・成年後見等の家事事件が多数。保険会社の代理店顧問を務めており、交通事故案件も多い。一児の母として子育てにも奮闘中。

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