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飲み屋のつけは1年たったら払わなくていいってホント?

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2006年08月11日
Q



「飲み屋のつけは1年たったら払わなくていいってホント?」

常連さんのお代を“つけ”にすることがよくあるのですが、とある常連さんに
代金を請求したところ、「そんなの1年たったら時効なんだよ!」と言われて、
払ってくれませんでした。ほんとうにそうなのでしょうか?

A



○ 消滅時効という制度

まさか1年で時効なんて・・・。

でも、ざんねんながら飲み屋の“つけ”は1年で時効にかかってしまうのはホ
ントなんです。

おどろきましたか?

この時効というのは正しくは“消滅時効”という制度のことです。

消滅時効というのは、一定期間が過ぎたことによって権利が無くなってしまう
ことを言います。

消滅時効は、権利の種類によって時効期間が異なります。

「飲み屋のつけ」は、民法174条4号に規定されています。

民法第174条
次に掲げる債権は、一年間行使しないときは、消滅する。
1〜3号(省略)
4号 旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場
料、消費物の代価又は立替金に係る債権

とういことで、常連さんのいう「そんなの1年たったら時効だよ」という逃げ
口上はまんまと認められてしまうんです。

常連だから・・・といって、1年以上もほっておいてしまうと、痛い目にあう
おそれがあります。くれぐれも注意しましょうね。

○  請求をしていれば・・・

ただ、例外的に時効が完成しない場合もあります。

例えば、「払ってくれ!」と請求をしていた場合、この請求は、民法153条
の「催告」(さいこく)にあたり、時効にかかるまでの期間のカウントが「停
止」(ストップ)します。

民法153条には、時効の進行が一旦ストップする事由が定められているので
すが、この催告もその事由の一つなんです。

この催告は、口頭でもかまいません。でも、「払ってくれ」と言ったという証
明は口頭だとなかなか難しいので、内容証明郵便という公的に証明できる書簡
を送る方法で請求するのがよいでしょう。

注意しないといけないのは、この催告による時効の「停止」(ストップ)は、
時効の進行を一時的にとめるもので、6ヶ月以内に裁判などの手段で正式に請
求をしなければいけないことになっています。

○ 相手が払うと言ってたら・・・

「払ってくれ」と言ったのにたいして、お客が、「今度払うよ〜」と言ってい
た場合はどうでしょうか?

実は、お客さんの「今度払うよ〜」という発言は、民法147条3号の「承認」
にあたり、時効が中断します。

民法147条には時効の進行が中断する事由が定められているのですが、この
承認というのもその事由の一つなんです。この時効の「中断」は、「停止」と
は違って、時効の期間のカウントを振り出しに戻すものです。

これも、口頭でもかまいませんが、言った言わないの水掛け論になるので、一
筆書いてもらうのがいいでしょう。


払ってもらえる、と思っていたものが時効になってしまうほどショックなこと
はありませんよね!大事な売掛金がうっかり時効、ってことにならないように
日頃から注意しましょうね(※ちなみに、売掛金の時効は2年です)。

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