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「弁護士ドットコム」設立趣意書


1 当サイトの理念について(市民と弁護士の架け橋となるプラットホームの構築)

市民(*当サイトでは個人であるか法人を問わずその双方を含む意味で用います)にとって弁護士はまだまだ敷 居が高く、気軽に相談できる町医者のような弁護士はそう身近にいないのが現状です。そのため、多くの市民は、日 常生活・社会経済活動において遭遇する様々な法律問題に関し、専門家による的確で迅速なアドバイスを受けることが できないでいます。弁護士会や市役所等では、法律相談会が開催されていますが、それでもなお市民に十分に浸 透しているとまでは言えないのが現状でしょう。

他方、弁護士を取り巻く環境は、弁護士大増員により、資格さえあれば安泰という時代から、競争に勝たねば生 計を立てられない時代へと変化しつつあります。そのため、今後、多くの弁護士が顧客を求めて奔走することも 少なからず予想されます。

このように、市民は弁護士を求め、弁護士は市民を求めるという時代の到来を控え、私たち有限責任中間法人オー センス(以下「弊法人」といいます)は、市民と弁護士の架け橋となるポータルサイトを立ち上げることにいたしました。


2 当サイトのサービス内容について

(1) 弁護士費用の一括見積

市民は、当サイト上で、弁護士に事件の見積依頼をすることができます。登録弁護士は、サイト上にアップされた 市民からの見積依頼に対し、
  1. 事件処理の方針を示す
  2. 弁護士費用の概算あるいは目安などを示す
ことにより、 見積もりを出します(市民の見積依頼に対し、見積もりを出せる弁護士は当面のところ見積依頼1件あたり5名までとします)。 市民に対しては、弁護士の見積回答と一緒に当該弁護士が当サイトに登録したプロフィール等も送付されます。 市民は、各弁護士の見積内容とプロフィール情報を見たうえで、気に入った弁護士を1名指定し、面会依頼をします。面会の結果、市民と弁護 士が納得すれば正式に事件受任となります。

(2) インターネット法律相談

市民は、当サイト上で法律相談をすることができます。当サイトに登録した弁護士(以下「登録弁護士」といいます)は、 サイト上にアップされた市民の法律相談に対し、回答することができます(回答は当サイトに登録している弁護士の先着 順となります)。市民の支払う法律相談料は1回 3,150 円(税込)で、弊法人が法律相談料を回収代行いたします。そして、 ネット決済会社及び金融機関に支払う手数料を除いた法律相談料全額が、市民の法律相談に回答した登録弁護士に支払わ れます。なお、回収代行に際し、幣法人は回収代行手数料等を一切徴収いたしません。

(3) 弁護士検索サービス

登録弁護士には、当サイト上で自身のプロフィール等を公開していただきます(その際、ご自身の責任におい て「弁護士の 業務広告に関する規程」その他を遵守願います)。市民は、事務所所在地や弁護士の取扱分野、実績、経歴、 当サイトの利用者による口コミ評価等により、弁護士検索サービスを利用して、自身の希望にあった弁護士を 検索し、検索された登録弁護士のプロフィールを見ることができます。全ての登録弁護士は、広告費を支払う ことなく自身のプロフィールを当サイト上に公開することができます。

(4) 回答への弁護士プロフィール添付サービス

登録弁護士は、「インターネット法律相談」及び「弁護士費用の一括見積」において、相談者たる市民に対し回答する際、自 身のプロフィールを回答に添付することができます。これにより、市民は回答があった弁護士の人となりをよく知 ることができ、登録弁護士にとっては、より事件依頼の可能性が高まります。


3 当サイト利用によるメリットについて

(1) 市民のメリット

市民が日常生活・社会経済活動においてトラブルに遭遇したとき、「インターネット法律 相談」を利用すれば、弁護士からのアドバイスを受けることにより、
  1. 当該トラブルが市民の独力で簡単に解決可能な事案なのか
  2. 税理士・司法書士など弁護士以外の専門家に相談すべき事案なのか
  3. 正式に弁護士に依頼する必要があるほどの重大な問題なのか
などを容易に判別することでき、その後の適切な対処が可能となります。

また、最初から正式に弁護士に依頼したい場合には、「弁護士費用の一括見積」を使用し、 複数の弁護士の回答を比較検討し、その中から信頼できる弁護士や、コストパフォーマンスの良い弁護士を選ぶこ とができます。市民にとって、容易に弁護士を選択できる機会が与えられる点で、当サイトは、これまでにな い画期的なサービスを提供するものといえます。

さらに、「弁護士検索サービス」を利用すれば、市民の側から主体的に弁護士にアクセスすることが可能とな ります。インターネットは、24時間365日、昼夜を問わず、自分の好きな時間帯に弁護士にアクセスできるというメリットが あるので、仕事のある平日の日中などに時間を割く必要もなく、市民にとって、より利便性が高いとも言えます。

(2) 弁護士のメリット

登録弁護士は、事務所に居ながらにして、都合の良い時間を活用して法律相談をすることにより、1回につき 3,150 円(税込。但し、ネット決済会社及び金融機関への手数料は差し引かれます)の法律相談料収入を得る ことができるうえ(インターネット法律相談)、当サイトを通じて新規の事件や顧客を獲得できます (弁護士費用の一括見積 )。

さらに、多くの相談あるいは見積依頼の中から、自分の得意な事件や、興味のある事件、経験を積んでおきた い事件等を自由に選択することができます。

なかでも、弁護士が事件を主体的に選択できるという当サイトの システムは、今までにない画期的なものであり、弁護士業務の効率性及び専門性の向上に役立つことと自負し ております。登録弁護士は、同種の事件を頻繁に取り扱うことにより、業務の効率性が増しますし、自身の専 門性も磨くことができるのです。


4 登録弁護士からのシステム利用料の徴収について

(1) システム利用料の内容

当サイトへの登録及び当サイトのサービスの初回利用は当面のところ無料です。「初回利用」とは、具体的には、
  1. インターネット法律相談」においては、1回目の法律相談の利用
  2. 弁護士費用の一括見積」においては、見積回答に対して市民から面会依頼 通知があるまでの利用(*見積回答したのに面会依頼通知が来ない場合には「初回利用」には該当しません)
のいずれかをいいます。上記の「初回利用」より後も、当サイトのサービスを継続する場合には、「2回目の 利用」時以降、登録弁護士から「システム利用料」として基本料金月額 5,250 円(税込)をいただいております。 なお、システム利用料とは、当サイトの運営上の「実費相当額」を指します。

このようにシステム利用料を徴収させて頂く理由は、当サイトのシステム開発及びシステム維持・運営には、 相応の費用を要しており、これらの実費相当額を回収できなければ当サイトの運営は不可能であること、また 当サイトの広告宣伝をおこなって当サイトを市民へ認知してもらわなければ、市民のアクセスは一向に増加せ ず、当サイトを有意義なものにできないことに因ります。なお、徴収したシステム利用料については、その全 額が当サイト運営のための実費に充てられるので、今後登録弁護士の増加にしたがい、将来的には、現行のシ ステム利用料を、適宜改定することも視野に入れています。

ですので、登録弁護士の皆様におかれましては、できるだけ、当サイトをお知り合いの弁護士に宣伝するなど して、より多くの弁護士の登録をうながし、登録弁護士数の増加にご協力頂きたいと考えております。

なお、弊法人は半期(将来的には四半期とします)ごとに当サイト上に貸借対照表及び損益計算書を公開いた します。弊法人の財務状況、具体的には、弊法人がシステム開発費・維持費・広告宣伝費等の実費にどれだけ の費用を要し、また、その間に登録弁護士からどれだけのシステム利用料を徴収したのかについて、登録弁 護士の皆様に全面的に開示することにより、透明性のある運営を心掛けてまいります。

また、弊法人は中間法人ですので、決算期において利益が計上されても、これらの利益を出資者に配当するこ とはありません。これらの利益は全額翌期に繰越し、翌期のシステム維持・更新費及び広告宣伝費等の実費に 充てるとともに、適宜登録弁護士から頂いているシステム利用料削減に還元していきたいと考えております。

(2) システム利用料徴収と弁護士法及び弁護士職務基本規程との抵触可能性について

弁護士法第72条は、「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件(中略)その他一般の法律事件に関し (中略)周旋をすることを業とすることができない」と規定し、また弁護士職務基本規程第13条第1項及び同 条第2項は、「弁護士は、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない」「弁 護士は、依頼者の紹介をしたことに対する謝礼その他の対価を受け取ってはならない」と規定していますので、 これらの規定上、弊法人が登録弁護士からシステム利用料を徴収することが許されるのか否かが問題となります。

弁護士法第72条については、「報酬を得る目的」が構成要件となっており、「報酬」の意義については「具体的な法律事件に関して、法律事務取扱(又はその周旋)のための主として精神的労力に対する対価」であり、委任事務処理上の必要費で、民法650条による償還請求が可能な費用(実費)は含まれないと解釈されています(日本弁護士連合会調査室編著・「条解弁護士法〔第3版〕」(弘文堂・2003年)677頁参照。なお、引用条文中の括弧書きは弊法人加筆部分)。また、弁護士職務基本規程第13条の「謝礼 その他の対価」とは、「依頼者ないし事件の紹介料」「依頼者ないし事件の紹介と関連性を有する金銭その他の有価物のことをいい、間接的な関連性を有するにとどまる場合はこれにあたらない。たとえば、事務所の経費としての使用料のようなものは関連性がないのが一般的であろう。」と解されています(日本弁護士連合会弁護士職務基本規程解説起草検討会編・解説『弁護士職務基本規程』(自由と正義・第56巻・臨時増刊号〕」(日本弁護士連合会・2005年)20頁参照)。

したがって、当サイトを運営するための「実費」に過ぎないシステム利用料の徴収 は、事件の紹介に対する「対価」性をそもそも有しないため、関連性が直接的か間 接的かを問うまでもなく、弁護士法第72条の「報酬」及び弁護士職務基本規程第13 条の「謝礼その他の対価」のいずれにも該当しないのであり、これらの規定には違反 しません。

また、弊法人理事である弁護士は、弊法人から、実費相当額の限度を超えた金員は一切受領いたしません ので、弁護士職務基本規程第13条第2項にも違反しません。

なお、弊法人は、当サイトの立ち上げにあたり、事前に、弁護士法及び弁護士倫理等の分野に明るく、当分野における日本弁護士連合会の会務にも長年にわたり携われている著名な弁護士のご意見を伺ったうえで、上記の解釈に至っておりますことを念のため申し添えます。


5 当サイト立ち上げに至った経緯について

当サイトは、多くの若手弁護士の賛同を得て、弊法人理事である2名の弁護士により立ち上げられました。

冒頭でも簡単に述べましたが、現在、若手弁護士を取り巻く環境はめまぐるしく 変化しています。司法試験合格者の増加、それに続く新規登録弁護士3000人時代の到来に、いささかの不安も覚 えない若手弁護士は少ないでしょう。近年は、司法修習生の就職難が深刻化していることや、新人弁護士が事務 所からもらえる給料の額も下降の一途をたどっているとの話も聞かれます。そのため、登録初年度から、個人事 件の獲得に努めようとする若手弁護士も増えているようですが、弁護士会の法律相談件数が減少している現状もあり、 顧客開拓の機会を自ら見出せないでいる若手弁護士も少なくないといえます。

このような時代背景の一方、近年はインターネットが著しく発達し、多くの市民が日常的にインターネットを利 用するようになりました。そのため最近は、多くの法律事務所がホームページを持ち、そのホームページ上で、 法律相談に応じている例も多々見られるようになりました。

弊法人理事も、当初の構想ではインターネット上で事件依頼を受けたり、法律相談をすることで顧客獲得を 目指そう考えました。しかし、私たち弁護士にはそれぞれ得意分野、不得意分野がありますし、また、常時事務 所でパソコンと対峙しているわけではありません。そのため、各弁護士が個人的にインターネット上で市民 からの法律相談や事件依頼等を受けようとしても、その程度のマンパワーでは市民からの多くの相談及び事件依 頼に対処することはできません。

そこで、弊法人理事は、「ならば、多くの弁護士に登録して頂くことにより、多くの市民からの相談や事件依頼に応 えられるインフラとなりうるサイトを作れば、非常に有意義ではないか。インターネットで弁護士にアクセスできることが市民に広く知られるようになれば、これまで弁護士に頼みたくてもどこに行けば頼めるかわからず、右往左往していた多くの市民にとって、画期的なツールを提供することができる。さらには、これまで埋もれていた市民のニーズを引き出すことが可能となり、ひいては弁護士のマーケットの拡大にもつながるはずだ。」と考え、当サイトを立ち上げるに至ったのです。


6 登録弁護士へのお願い

当サイトは、登録弁護士の皆様のシステム利用料負担により運営されています。そのため、弊法人は、当サイト を登録弁護士の皆様にとって、より使い勝手の良いものにするべく、日々改善していきたいと考えてお ります。つきましては、当サイトの内容(特に相談フォームの内容等)や運営などに関し、できるだけ多くの忌 憚なきご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。今後のサイト運営の参考にさせていただきます。


平成17年8月初版
平成18年5月改訂

有限責任中間法人オーセンス    
理事弁護士元榮 太一郎
理事弁護士酒井  将


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