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不正入試に「嘘でしょ」東京医大新学長、 「属性差別」を厳しく批判 会見詳報
東京医大の林由起子学長(2018年11月7日、東京都新宿区)

不正入試に「嘘でしょ」東京医大新学長、 「属性差別」を厳しく批判 会見詳報

医学部入試で不正な得点操作があった東京医大は11月7日、2018年度と2017年度の医学部入試結果を改めて精査したところ、計101人が追加合格の対象だと発表した。意向確認や定員などの要素を踏まえて希望者は来年4月の入学を認める方針だが、その余波で2019年度入試はこれまでにない狭き門となる可能性がある。

東京医大が東京・新宿のホテルで開いた会見は同日午後4時から始まり、2時間超に及んだ。問題発覚後に学長に就任した林由起子学長と報道陣の主なやりとりは以下のとおり。

●属性による差別「断じてあってはいけない」

ーー追加合格の意向確認をする対象者が101人ということだが、どう受けとめているか。再発防止に向けたコメントは

「あまりにも人数が多いので愕然としている。第三者委員会にお願いして原因究明をしている。今後、このような不適切な行為が絶対起こらないような入試をやっていきたい」

ーー学長自身、女性医師ということで改めてこうした差別についてどう感じているか

「属性によって差別をする、しかも入学試験でやるということは断じてあってはいけない。多浪生についても同様だ。女性は、妊娠・出産・子育てなどで担わなければいけない部分が、確かにまだ日本では多い。ただパフォーマンスが長期間にわたって劣るということはないと思う。活躍している女性医師はいる」

ーー今回の問題で、無駄な時間を過ごしてしまった元受験生もいる

「不利益を被った受験生には本当に申し訳なかったと思う。入学していただいた方は、いいお医者さんになってもらうよう教育していきたい」

ーー入学してもらえると思うか

「来ていただけるといいと思っている」

●学長「率直に申して、嘘でしょと」

ーー今回の問題、知った時にはどういった感想を持ったか

「率直に申して、嘘でしょと。報道で初めて知った。びっくりした」

ーー追加合格の意向確認をしたうえで、結果的にやっぱり入学を認めないことがあり得るというのはいかがなものか

「合格の可能性がありますよ、という通知をしてやっぱりダメというのは申し訳ない。新たに一般、センターの募集人員を確定しなきゃいけないギリギリの時期で、本来は成績上位から順番にお声がけしていくのが筋だが、時間の限りがあって、みなさんに一緒に連絡をしないといけないという事情がある。もう一回、入試をやったと考えてもらいたい。何人の方が入学意思を示すかで合格ラインは変わってくる」

ーー意向確認はいつから始めるのか

「昨日、この方針を決定したばかり。意向確認は近日中にすみやかに行う」

●補償「議論を進めている」

ーー元受験生への補償はどうしていくのか

「補償に関しては大学の方で議論を進めている。改めてご報告させていただくことになる」

ーー今年、昨年よりも前の元受験生については

「平成28(2016)年度以前については、第三者委員会で検討しているところなので、その結果を待ちたい」

ーー来年の受験生への影響は

「募集人員の枠が狭くなる可能性は高い。その点は本当に申し訳ない」

ーー受験生への説明は

「(時期は未定だが)受験生への説明会をすることを検討している。お時間があれば是非来ていただきたい」

(弁護士ドットコムニュース)

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