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□□□ 弁護士がやさしく教える!得する法律講座 □□□
2008年3月26日
第116号
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■■ 「弁護士ドットコム」法律相談所 第116回 ■■
〜「弁護士」が身近な法律をわかりやすく解説する法律相談コーナーです〜
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□□ 相談内容 □□
「購入したマンションがペット飼育禁止!?」
販売業者からペットOKだと聞かされたマンションを購入したのですが、実は
そのマンションは、管理規約でペットの飼育が禁止されていました。そこで、
やむを得ず、隠れてペットを飼っていましたが、しばらくして管理人にばれて
しまい、マンションを出て行くようにと言われました。せっかく購入したマン
ションを出て行くなんて納得できません。引き続き、マンションでペットを飼
うことはできないのでしょうか?また、もしペットを飼うことができないのな
らば、嘘の説明をした販売業者に責任を追求することはできないのでしょうか?
□□ 弁護士の回答 □□
○ どうしてペットを飼ってはいけないの?
ペットに対する考え方は人それぞれ。なかにはペットを不快だと思う人もいま
す。マンションでは共同生活を余儀なくされるので、ペットの飼育を禁止する
規約があっても文句は言えません。
近ごろはペットを飼うことのできるマンションが増えています。その一方、ペ
ットの飼育を禁止するマンションも、昔から存在します。
では何故これらのマンションでは、ペットの飼育を禁止しているのでしょうか。
ペットは人の生活を豊かにし心に潤いを与える存在ですが、その考えは人それ
ぞれであって中にはペットなんて飼いたくないという人もいます。
一方、ペットも動物ですから、その行動、生態、習性等によっては他の人に対
して不快感及び迷惑を与えることもあります。
特にマンションでは共同生活を余儀なくされますから、ペットが他の人に与え
る影響が大きいものと言えます。
このような見地から、ペットを飼うことを共同の利益に反する行為として禁止
することをマンションの管理規約で定めることは一般に認められています。
但し、盲導犬のような飼い主の生活・生存に不可欠な存在である場合はこの限
りではありません(東京高裁平成6年8月4日高等裁判所民事判例集47巻2号
141頁参照)。
このように、ペットの飼育の禁止を定める管理規約は有効ですから、管理規約
に反した場合には、当然、ペットの飼育の禁止を求められます。
そして、これに従わない場合には、マンションからの立ち退きが要求されるこ
とになります(建物の区分所有等に関する法律第6条第1項、第57条、第60条)。
したがって、ご相談のケースでは、せっかく購入したマンションから出て行く
前に、ペットの飼育を断念することになるでしょう。
○ マンション販売業者には何も請求できないの?
ご相談のケースでは、そもそもマンション販売業者の社員がペットの飼育が可
能なマンションであると嘘の説明をしたことが原因でトラブルが生じました。
では、相談者は、販売業者に対して何も請求できないのでしょうか。
この点、虚偽の説明に基づいて損害が生じたのですから、業者に対して不法行
為に基づく損害賠償を請求することが考えられます。
もっとも、説明の態様によっては虚偽の説明とまでは認められず損害賠償請求
が認められない場合もあります。
例えば、ペットの飼育は原則駄目だが、危害を加える等人に迷惑をかけなけれ
ば、具体的には、外に出るときには籠に入れるとか、抱く等すれば問題ないと
思われるとか、この程度の犬では問題ないと思われるとか説明した場合に損害
賠償請求が認められなかった事案があります(福岡地裁平成16年9月22日)。
一方、マンション販売業者の社員が、マンションの購入を考えている人に対し
て、ペットの飼育が禁止されていると説明したところ、実際には、ペットの飼
育が許されていたケースで、購入者の販売業者に対する不法行為に基づく損害
賠償請求を認めた裁判例もあります(大分地裁平成17年5月30日判例タイムズ
1233号267頁)。
○ 購入後にペットの飼育を禁止する規約に変更された場合は?
マンションの管理規約は、マンションの住人が保有する議決権の4分の3以上
の議決で変更できますが、管理規約の変更が、一部の住人の権利に特別の影響
を与える場合、その住人の承諾が必要であるとされています(建物の区分所有
等に関する法律第31条第1項)。
では、ある人が、ペット飼育を可能とするマンションを購入した後に、マンシ
ョン管理規約が変更されてペットの飼育が禁止された場合、この変更に購入者
の承諾が必要とされるでしょうか。
答えは否です。ペットが他の人に与える影響は大きいので、ペットの飼育が可
能であると説明を受けてマンションを購入した人の承諾がなくても、管理規約
を変更してペットの飼育を禁止できます。
ただし、盲導犬のような飼い主の生活・生存に不可欠な存在である場合はこの
限りではありません(東京高裁平成6年8月4日高等裁判所民事判例集47巻2号
141頁参照)。
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