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法人成りしたら貸室から出て行けと言われた?!

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▽ 2008年03月19日号 法人成りしたら貸室から出て行けと言われた?!
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           2008年3月19日
             第115号
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□□ 相談内容 □□

「法人成りしたら貸室から出て行けと言われた?!」

私は、マンションの一室を借りて美容院を個人経営していたのですが、経営が
順調だったので、今年に入って法人化させました。しかし、つい先日、いきな
り家主が押しかけてきて、すぐに出ていくように言われました。家主の言い分
としては、「私はあなた個人に貸したのであって、会社に貸した覚えはない。
あなたのやっていることは又貸しだ」というものでした。私は出て行かなくて
はいけないのでしょうか?仮に、出て行かなくてもよい場合に、今後、友人と
共同経営という形態にしたとしたら、何か問題はありますか?

□□ 弁護士の回答 □□

○  大切なのは貸主と借主の信頼関係!

賃貸借契約とは,貸主が,ある物の使用等を借主に許可し、借主が、それに対
して賃料という対価を支払う契約のことを言います。

そして、民法では、貸主の許可がない状態での借主の又貸しが禁止されている
ため、借主が又貸しをした場合には、貸主は契約の解除をすることができます。
賃貸借契約は、貸主と借主の信頼関係で成り立っており、又貸しは信頼関係の
破壊に通じるとみなされるのです。

ただ、そうすると、たとえば、借主が、一時的に家族に使用させた場合であっ
ても、その借主から家族への又貸しとなり、出て行かなければならないのでし
ょうか。それでは、借主やその家族にとってあまりにかわいそうな結果となっ
てしまいます。

そこで、裁判例では、形式上又貸しとなったとしても、貸主と借主との間の「
信頼関係を破壊するに足りない特段の事情」がある場合には、貸主は借主に対
して、契約を解除することが許されないとされています。

ようするに、借主が又貸ししたとしても、貸主との関係で信頼を損なわないよ
うな事情があれば、明け渡して出て行かなくてもよいということになります。
 
○  法人化させた場合は?

では、ご相談のケースでは、どうでしょうか?
確かに、個人と法人は別主体ですから、あなたが個人で借りていたのに、いつ
の間にか借主が法人になっていたとしたら、それは又貸しになります。その点
では、家主が言っていることは正しいといえます。

しかし、形式的に法人化させただけで、部屋を明け渡さなければいけないとい
うのはあんまりです。個人経営をしている人が、節税対策を目的として法人化
させることはよく聞く話です。何ら実態が変わっていないのに、形式的に主体
が変わっただけで、借主の生活の基盤が奪われるのは、借主にとってあまりに
不利益といえます。

そこで、裁判例などでは、経営の実態に実質的な変動がない場合、「信頼関係
を破壊するような特段の事情」がないとして、解除を否定しています。

ちなみに、経営の実態に変更があるかどうかは、事業内容や営業の責任者など
について、個人経営の場合と法人の場合とで変更がないかなどを基準に判断し
ていきます。

ご相談のケースでは、単に形式上、法人化させただけで、事業内容や営業責任
者などに全く変更がないようなので、家主から契約を解除されて、出て行かな
ければならないという事態は避けられると思います。

○  友人との共同経営については?

あなたとご友人との共同経営がどういう形態で成り立っているかによります。
過去の裁判例を参考にすると、あなたとご友人が対等の立場で仕事をしている
としたら、又貸しということになり、家主から契約を解除されて、出ていかな
ければならない可能性が高いです。

トラブルを未然に防ぐためには、法人化させる際やご友人の方と協力して事業
をされる際に、家主に話して、事前の承諾をもらうのが一番ですね。



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