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□□□ 弁護士がやさしく教える!得する法律講座 □□□
2007年2月21日
第59号
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■■ 「弁護士ドットコム」法律相談所 第59回 ■■
〜「弁護士」が身近な法律をわかりやすく解説する法律相談コーナーです〜
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□□ 相談内容 □□
「年俸制の導入で残業代はどうなる?」
うちの会社でこんど年俸制を導入するそうです。年俸制の導入により、給料は、
勤務時間ではなく、従業員の仕事の成果で決定され、残業しても残業代は出な
いと言われています。本当でしょうか?
□□ 弁護士の回答 □□
○ 年俸制とは?
年俸制とひとくちに言っても、定義があいまいです。
おおまかに表現するとすれば、「給料が年単位で決められ、労働者の業績や能
力が給料決定の基準になるとされているもの」といったところでしょうか。
年俸制の導入により、年功序列の給料体系が廃止されたり、大幅に後退してい
るという特徴があります。
○ どうして年俸制を導入するの?
最近、この年俸制を導入する企業が増加しています。
「年功序列の給料体系の見直し」とか、「業績主義、能力主義の強化」という
のが、一般的に言われている導入の理由です。
しかし、企業の本音は、年俸制導入により、給料を大幅にカットできるだろう
と考えている点にあるといえるでしょう。
では、企業の思惑どおり、本当に大幅に給料をカットできるのでしょうか?
○ 残業代を払わなくて良いわけじゃない!
よくある誤解が、ご相談のようなケースです。
年俸制により、能力主義、成果主義になったのだから、給料は勤務時間と比例
しない、だから、残業しても残業代は払われないのだ、という誤解です。
残業代が発生しない管理監督者や、事業外労働のみなし労働時間が定められて
いる営業担当従業員、後に述べる裁量労働制が採用されている場合などを除い
て、通常の労働者は、年俸制の導入がなされたとしても、残業代を請求できる
権利を失いません。
年俸額が、どの労働時間に対する賃金なのか規定がない場合は、原則として、
年間の所定労働時間に対する賃金と考えられ、従業員が残業した場合には、企
業は、その残業時間分について、割増賃金を支払わなければなりません。
年俸制だからといって、必ずしも残業代が出なくなるわけではないのです。
○ 裁量労働制のときは?
ただし、裁量労働制の「みなし労働時間」が採用されている企業の場合は例外
です。
裁量労働制とは、専門職や企画職など、使用者からの具体的な指揮監督になじ
まない一定のクリエイティブな職種について導入できるもので、何時間働こう
が、「一定時間働いたものとみなす」という「みなし労働時間」という制度が
採用されます。
つまり、この場合、たとえば、3時間だけしか働かなくても、逆に12時間働い
たとしても、みなし労働時間である8時間(例です。8時間とは限りません)
働いたとみなされるのです。
労働者が、この裁量労働制の対象者である場合には、実際に働いた時間に応じ
て、残業代が支払われるわけではありませんから、注意が必要です。
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