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□□□ 弁護士がやさしく教える!得する法律講座 □□□
2006年11月22日
第46号
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■■ 「弁護士ドットコム」法律相談所 第46回 ■■
〜「弁護士」が身近な法律をわかりやすく解説する法律相談コーナーです〜
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□□ 相談内容 □□
「仕事でミスをしたため会社から損害賠償請求されています・・・」
私が担当していた取引先が倒産してしまったため、会社の売掛金の回収ができ
なくなりました。上司からは、私が取引先の倒産を見抜けなかったのが原因だ
ということで、回収できなくなった売掛金相当額を全額賠償しろと言われてい
ます。もし払えない場合には、毎月、給料から天引きするとも言われています。
仕方ないのでしょうか?
□□ 弁護士の回答 □□
○ 誰でもミスはする!
人間はコンピュータではありませんから、どんなにまじめに働いていても、仕
事でミスをしてしまうことがあります。
つり銭を払いすぎてしまったり、飲食店で食器を割ってしまった、あるいは、
営業車を運転中に交通事故を起こしてしまった、など、さまざまです。
このような場合に、会社の損害をすべて従業員が賠償しなければならないとし
たらとても不公平です。
なぜなら、会社は、従業員を使用して、利益を上げている以上、従業員のミス
によるリスクも負担するべきだからです。
そのため、従業員が仕事上ミスをした場合の損害賠償は、過去の裁判例を見て
も、ある程度制限されています。
○ 具体的にはどうなの?
では、具体的に、従業員はどの程度、ミスによる損害を負担しなければならな
いのでしょうか?
まず、従業員が仕事の過程において、通常求められる注意義務を尽くしている
場合には、そもそも損害賠償責任は生じません。
また、些細な不注意により損害が発生したとしても、そのような損害の発生が
日常的に一定の確率で発生するような性質のものである場合には、やはり損害
賠償する必要はありません。前に述べた「つり銭を多く渡してしまった」「食
器を割ってしまった」などが典型例です。
以上とは異なり、従業員に重大な過失や故意がある場合には、損害賠償しなけ
ればなりません。会社のトラックを運転していて、スピードの出し過ぎにより
交通事故を起こしたような場合や、ライバル会社に顧客情報を流してしまった
ような場合です。
○ 従業員の負担割合
また、従業員が損害賠償義務を負う場合であっても、発生した損害の全てを負
担しなければならないわけではありません。
従業員の過失の程度や、会社側の管理体制(従業員への指導教育が行き届いて
いたかや、保険をかけていたかどうかなど)、従業員に対する労働条件などを
総合的に考慮して、損害の負担割合が決まります。
ただし、ミスとはいえないような窃盗、業務上横領などの犯罪行為については、
原則として、それを犯した従業員が全額賠償しなければなりません。
○ 給料からの天引きは許されない!
なお、会社が従業員に対し、損害賠償請求できる場合であっても、一方的に従
業員の給料から天引きすることは禁止されています。
○ 認識がなければ大丈夫!
以上のとおりですから、ご相談の件では、取引先の経営状態が悪いことを知っ
ていて、もはや将来的に回収が不能であることを知りつつ、あえて商品を販売
し続けたような場合でなければ、会社からの請求に応じる必要はありません。
また、給料からの天引きは違法ですから、抗議するべきです。
○ まずは懲戒権を行使する
ところで、会社は従業員に対して、就業規則にしたがって懲戒権を行使するこ
とができます。
ですから、会社は従業員が仕事でミスをした時は、まずは懲戒権の行使により、
会社秩序の維持を図るべきであり、損害賠償の請求は、例外とするべきです。
既に従業員に対する減給処分や降格処分がなされているのであれば、重ねて損
害賠償することは認められない場合もあるでしょう。
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