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このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。 そして、私は、「著作権」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。
前回、「RGBアドベンチャー事件」最高裁判決(平成15年4月11日)で、職務著作について定めた著作権法第15条1項の「法人等の業務に従事する者」に当たるか否かは、「法人等と著作物を作成した者との関係を実質的にみたときに、法人等の指揮監督下において労務を提供するという実態にあり、法人等がその者に対して支払う金銭が労務提供の対価であると評価できるかどうかを、業務態様、指揮監督の有無、対価の額及び支払方法等に関する具体的事情を総合的に考慮して、判断すべき」という判断基準が示されたことをご紹介しました。
この判断基準は、労働基準法や労働組合法の「労働者」に該当するかについて裁判所が従来使ってきた判断基準と非常に似ておりますので、由来はそのへんだろうと思われます。
さて、この判断基準に従って改めて審理を行った東京高裁(平成16年1月30日)の結論はどうなったでしょうか?・・・・・・以下のとおりデザイナーに厳しい結末となってしまいました。
「デザイナーは、1回目の来日の直後から、会社の従業員宅に居住し、会社オフィスで作業を行い、会社から毎月基本給名目で一定額の金銭の支払を受け、給料支払明細書も受領していたのであり、しかも、デザイナーは、会社の企画したアニメーション作品等に使用するものとして本件全図画を創作したものである。上記事実によれば、デザイナーは、1回目の来日後から、会社の指揮監督下で労務を提供し、その対価として金銭の支払を受けていたものと推認されるところである。」
「デザイナーの作業状況をみると、就業に必要な作業場所、画材等は会社が調達し、デザイナーが会社の指示に従って図画を作成していたのであるから、デザイナーは、会社の指揮監督下において本件全図画作成等の労務を提供していたものと認めることができる。また、会社がデザイナーに支給した上記金銭の額は、基本給名目が3回目の来日時に倍増されているが、1回目及び2回目の来日時のものを基準にしても、会社が負担した会社の従業員宅に賄い付きで居住した費用も考慮すると、研修のための特別待遇を理由として受ける金額というには高額にすぎるというべきである。そして、会社からデザイナーに支給された金銭は、デザイナーが創作した図画の出来高とは無関係に毎月一定額が支払われ、給与支払明細書が交付され、デザイナーは上記対価の額、支払方法及びその名目について異議を述べたことがない上、デザイナーが本件全図画以外に会社のために作成した図画についても会社に報酬を請求することはなかったことに照らすと、デザイナーが会社に対して提供した労務の対価であると認めるのが相当である。」
「デザイナーは、会社の指揮監督下で労務を提供し、その対価として金銭の支払を受けていたものと認めるのが相当」
従って、全て職務著作として会社が著作者であるという結論となりました。
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寄稿担当:雪丸 真吾 弁護士
所属:虎ノ門総合法律事務所
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このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
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