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職務著作(1)

このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。
そして、私は、「著作権」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。

前回は、映画の著作物に関しては著作財産権が著作者ではなく自動的に映画製
作者に帰属するという話をしました。映画製作に関与するのは世の中のほんの一握りの方ですので余り実感も湧かない話だったのではないかと思いますが、今回は雇用され働いている方についての話ですので、皆さんにとっても極めて身近な話です。

会社にお勤めの方は日々の業務の中でたくさんの文章を書かれることと思います。中には仕事で絵を描いたり作曲したりプログラムを創作する方もいるかもしれません。このように、会社の業務を行いながらどんどん著作物を創作している状況が広く認められます。

さて、こうして生み出された著作物の著作者は誰でしょうか?現実に創作行為をしている皆さん個人でしょうか?それとも、皆さんに業務として創作を命じ、創作された著作物を業務上利用することを予定しているであろう会社でしょうか!?著作権法は第15条で著作者は会社(に限らず人を雇用する団体は広く含まれますが)であると定めています。

ここで「著作者は」とされていますので、著作者人格権も会社に当初から帰属します。映画の著作物の場合でも、著作者人格権は著作者の監督の下に残りますので大きな違いがあります。

特許の職務発明の場合は、権利は一旦発明者に帰属し、これを会社に譲渡する際に対価をもらうことができますので、青色LED等発明者と会社の間で対価の額を巡る紛争が起きていることは皆さんもご存知かと思います。これに対し、職務著作の場合は当初より会社に権利が帰属しますのでこのような紛争は起こりえません。特許の場合に比べて創作者の権利保護が弱すぎるのではないかと思いますが、他方で、発明と創作の難易度の差、会社へのリターンの大きさの差というものを考えると不合理な差とまでは言えないかとも思うところです。

次回は職務著作の限界について述べてみたいと思います。



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雪丸 真吾 弁護士 寄稿担当:雪丸 真吾 弁護士
所属:虎ノ門総合法律事務所
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