|
|

|
このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。 そして、私は、「著作権」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。
今回は譲渡権の説明をします。
映画の著作物以外の著作物についても、頒布権(これが映画の著作物にしか認められないので、ゲームソフトを映画の著作物の枠内に押し込もうとして争われた事件については既にご説明しましたね。)と同じように著作権者に流通をコントロールさせる為に平成11年改正で設けられた新しい権利です。
従前は、著作物を譲渡する場合は、それに先立って複製行為が行われるのが通常なので複製権があれば足り譲渡権は不要と考えられていました。しかし、日本が加盟するWIPO著作権条約では特に映画に限定せずに著作物の流通をコントロールする権利を設けることが求められていたので、頒布権に加えて譲渡権が設けられることになった次第です。乱暴な言い方をすれば「必要も無いのに外圧で作らされた権利」ということになるでしょうか。
頒布権との最大の違いは、適法な譲渡が一度行われると譲渡権は消尽するという点です。中古ゲームソフト裁判では、最高裁が「中古ゲームソフトの場合は第1譲渡の後は頒布権が消尽する」という結論を必死の解釈で導きましたが、譲渡権は条文上明文でこれが認められております。つまり、流通をコントロールする力は弱いということです。
このように単独で活躍する場面があまり無い譲渡権なので弁護士である私も恥ずかしながら時々この権利のことを忘れてしまいます。先日も裁判所で裁判官から「原告代理人は複製権侵害と翻案権侵害を主張されるようですが譲渡権侵害は如何されますか?」といきなり言われまして「あ、じゃあお願いします。。。」とその場で追加してもらいました。ただ、その後も譲渡権が話題になることは(案の定)特に無くそのまま結審しそうです。
|
|
|
 |
 |
寄稿担当:雪丸 真吾 弁護士
所属:虎ノ門総合法律事務所
|
|
|  |
|
このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
|
|
|