|
|

|
このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。 そして、私は、「著作権」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。
今回は頒布権(著作権法第26条)の説明をします。
頒布権(著作権法第26条)とは、映画の著作物に関してのみ認められる権利です。具体的な内容としては、映画のコピーがどのように世の中に流通していくかについて YES/NOを言える権利と言うことになります。
何故映画に限ってこのような特殊な権利が認められたのかという理由は、映画の配給制度と密接な関係があります。映画を製作するには一本何十億円と言った巨額の費用がかかりますので、映画会社が大きな売上を得られるようにしないとビジネスとして成り立たず、映画を製作する人がいなくなってしまいます。
映画会社が大きな売上を得る為には、高い映画鑑賞料を視聴者に支払ってもらうことが必要です。これには、映画を視聴できる場所と機会を限定することが有効です。その時、その場所でしか見られない!となると、ついつい財布の紐も緩みますよね。高い鑑賞料を払って頂くのですから、映画そのものが面白いのは当然として、鑑賞する施設も快適な空間を用意してもらわないと困ります。設備の良い映画館にだけコピーを渡しましょう。あんまり上映館の数が多いと映画館間の価格競争が起きてしまうかもしれませんので一地域に提供するコピーの総数は限定しましょう。間違っても、こっそり違法コピーを作って売りさばくような相手にはコピーを渡してはいけません――このように流通をコントロールすることで値段を高く保つことができるのです。
日本の著作権法が認める頒布権は、何度譲渡を繰り返しても消えません(法律用語で「消尽」と言います。)ので特に強力な効果を持っています。普通は物を一度売ってしまったら買主がどう処分しようが文句は言えませんが、頒布権ではそれが可能になるのです。
次回はこの消尽を巡って激しく争われた中古ゲームソフト裁判の話をします。
|
|
|
 |
 |
寄稿担当:雪丸 真吾 弁護士
所属:虎ノ門総合法律事務所
|
|
|  |
|
このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
|
|
|