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口述権

このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。
そして、私は、「著作権」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。

今回は口述権著作権法第24条)の説明をします。

口述権著作権法第24条)は、前回までの公衆送信権と比べると極めて地味な権利です。自分の著作物を他人が口述する場合にこれにYES/NOを言える権利と言うことになりますが、そもそも口述とは何でしょうか。著作権法第2条1項19号に口述の定義があるのですが、「朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)をいう。」と書かれています。要するに声を出して読むということですね。現代社会で、著作物を声に出して読むことで人に伝えるという場面がそう多くあるでしょうか?

また、声に出して読む場合であっても、そこに演劇的な要素があれば上演と見なされますので以前説明した上演権著作権法第22条)で処理が出来てしまいます。最近は図書館や児童館で小さなお子さん相手の絵本の読み聞かせ会がよく行われていますが、読み手の方は登場人物ごとに声色や顔の表情を変えたり、時には動きのある演技もしたりされるのでこれなどは口述というより上演と言う方が良さそうです。口述権の守備範囲は益々狭まりますね。

著作権の具体的な中身である各権利は、情報を伝える方法であるメディアの発達によって新しく登場する物もあれば、消えていく物もあります。インターネットの発達により公衆送信権という新しい権利が創設され存在感を増す一方で、口述権のようにその情報伝達力の弱さから守備範囲が狭まる一方の権利もあります。ひょっとしたら口述権はそのうち著作権法の中から消えてしまうかもしれませんね。

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雪丸 真吾 弁護士 寄稿担当:雪丸 真吾 弁護士
所属:虎ノ門総合法律事務所
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