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公衆送信権(後編)

このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。
そして、私は、「著作権」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。

今回も前回に引き続き公衆送信権著作権法第23条)の説明をします。

公衆送信権に関する事件が増えている背景の一つとしてこの権利が新しい権利であることが指摘できます。以前も似たような権利が無かったわけではありませんが、公衆送信権著作権法に規定されるようになったのは平成9年の改正によるものです。まだまだ新しい権利である為に著作物の利用者の間でこの権利に対する意識が低く権利の存在を念頭に置かないまま侵害をしているのであろう例を目にします。ブログの中に他人の著作物であるイラスト、写真、文章をそのまま無許諾で掲載してしまうようなことはしていませんか。これは立派な公衆送信権侵害です。

新しい権利であることに起因する問題として、許諾の範囲という問題も起こっています。著作物の利用に際して著作権者から許諾を取るわけですが、この許諾が公衆送信権が創設される前に取られたものである場合は、改めて公衆送信権に関する許諾を取らなければならないのかという問題です。改めて許諾を取らなければならないとすると利用者側は新たな出費を強いられることになるでしょうが、インターネット上に自分の作品が公開されることは著作権者にとって非常に影響の大きいことですので全く無断で行ってよいというのも著作権者にとって酷なことです。ケースバイケースで考えるしかない問題だと思いますが、最近参考になる判例が出ました(公衆送信権そのものではなく送信可能化権の事件ですが同様に考えてよいでしょう。)

この判例では、契約書の文言、契約当時の社会的な背景事情の下で当事者の達しようとした経済的又は社会的目的、業界慣習、著作権者がきちんと報酬を受けているか等の事情を考慮して、新たな許諾は不要との判断をしています。

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雪丸 真吾 弁護士 寄稿担当:雪丸 真吾 弁護士
所属:虎ノ門総合法律事務所
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