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私道と税金の法律相談

このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。
そして、私は、「不動産取引」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。

今回の相談はこちらです。

Q
私の家の前の道路は私が所有する私道になっています。

駅への近道にもなっているようで、朝晩たくさんの人がここを通りますので、誰でも通れる公道と変わりないように思えます。

それにもかかわらず、私道部分に対する固定資産税納付通知書が毎年きます。

これは何とかならないものでしょうか。


A

1 私道に対する公租公課



私道とは、私人が築造し維持管理している道路であって、通例私人の所有に属します。これに対し、公道とは、国または地方公共団体が築造し維持管理している道路です。

公租公課の面からみると、私道は、取得する場合は不動産取得税、所有権移転等の登記をする場合は登録免許税がかかります。また、私道は、固定資産にほかならないので、原則固定資産税が賦課されます。同様に、都市計画区域内に存在すれば、都市計画税も賦課されます。

しかし、私道といっても、一般通行の用に供せられていて、公道と同様に交通の役割を担っている道路があります。また、建築基準法上、道路と認定されると、そこに建築物等を築造することは許されません。

このように、私道の所有者は一般の土地所有者と比べ、大きな制約を受けます。

2 固定資産税の非課税措置



固定資産税は、市町村税の普通税であって、土地に関する公租公課の中でも、それを所有しているかぎり、毎年賦課される税金です。

この点、地方税法348条2項5号によれば、「公共の用に供する道路」の場合は固定資産税を課すことはできないものと規定しています。そこで、「公共の用に供する道路」とは何かということですが、昭和26年の行政通達によると「所有者において、何らの制約を設けず、広く不特定多数人の利用に供するもの」としています。

したがって、たとえば、私道の所有者が通行者の条件を設けたり、夜間になると道路を閉鎖したりすると、「何ら制約を設けず」とはいえず、非課税にはなりません。また、行き止まりの私道のような場合は、その長さにもよりますが、それを囲む建物への来訪者が通行するだけのような場合には「広く不特定多数人の利用」に供しているとはいえず、非課税にならない場合があるでしょう。

本件の私道は、駅への近道となっていて多数人の往来があるようですから、公共の用に供する道路といえます。

このような場合、多くの市町村においては「固定資産税の非課税適用届出書」などの用紙を備え置いていますので、この様式にしたがった届出をして非課税措置としてもらうとよいでしょう。

3 その他の公租公課の非課税措置



都市計画税は、固定資産税と同じく市町村(特別区を含む)が課すことのできる地方税で、非課税の範囲についても、固定資産税と同様な取扱いがなされているので(地方税法702条の2)、上記に述べたことがそのままあてはまります。

私道を取得する際に賦課される不動産取得税についても、固定資産税および都市計画税の場合と同一の考え方にしたがっており、それが公共の用に供する道路であるときは非課税とされます(地方税法73条の4第2項)。

以上に対し、私道の登記をする際に必要になる登録免許税は、非課税とはしていませんが、「不動産登記の登録免許税課税標準価格の認定基準」という通達によれば、現況が公衆用道路である場合は「近傍宅地価格の2分の1相当額」をもって、その課税標準価格とするものとされています。

4 私道の公道への編入



税金をなくすもう一つの方法として、公道への編入という手段が考えられます。要するに、当該道路を公道にしてもらうために、市区町村に対し寄附してしまう方法です。

もっとも、公道となると道路を維持管理していくために、相応の費用がかかるわけですから、市区町村側でも当然に寄附を受理してくれるわけではありません。

この点、多くの市区町村では、道路に沿って建物築造が可能となる幅員4メートル以上で、原則行き止まりとなっていない両端が公道に接している道路であることを寄附の受理の要件としているようです。

公道になれば、その後の道路の舗装費用等についても、私人で負担する必要はなくなるわけですから、この際、市区町村への寄附を検討してみるのもよいでしょう。

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秋山 亘 弁護士 寄稿担当:秋山 亘 弁護士
所属:佐久間・秋山法律事務所
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このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
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