第 9 回
任意売却のメリット
- 蒸発した夫名義の不動産を処分する方法
- 家賃の時効は何年ですか?
- 不動産業者に騙され自宅に根抵当権を設定されてしまいました
- 定期借家制度をご存じですか?−立退料の請求を受けないために
- 更新料の有効・無効を巡る裁判例の動向
- 立退交渉の代理と弁護士法第72条違反の問題
- 老朽化した建物の立退料(3) 立退料の算定方法
- 老朽化した建物の明け渡しと立退料(2)
- 老朽化した建物の明け渡しと立退料
- 忘恩行為による贈与取消権
- 店舗賃貸借契約の中途解約と権利金の返還
- 賃貸アパートにおけるペット飼育と賃貸借契約の解除
- 不動産取引にまつわる詐欺事例
- 借地権の相続の法律問題
- 隣地の排水管の利用問題
- 期間の定めのない使用貸借の終了時期
- 隣地越境物の対処法
- 放置自動車の対処法
- マンションでの店舗営業
- 瑕疵担保責任
- 自殺があった建物
- 消費者契約法
- 売買契約のローン条項
- 私道と税金の法律相談
- 成年後見制度
- 任意売却のメリット
- 宅建業者の報酬請求権
- 管理費滞納のマンション
- 共有物分割の方法
- 不動産業者の説明責任
- 長期滞納者への対処法
- 申込証拠金の運命
- 不動産の処分方法
- 契約成立時期
このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。そして、私は、「不動産取引」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。
今回の相談はこちらです。
いわゆる任意売却は、競売と比べ、債権者・債務者・不動産購入者にとって、それぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。
任意売却とは、抵当権が設定されている不動産の所有者(=債務者)が、当該債務を弁済するために、競売ではなく、任意に当該不動産を売却することです。
1.債権者(抵当権者)にとってのメリット
競売より高く売れることが多いため債権回収額が多くなること
1. 競売の場合、時価の7割程度の金額が最低売却価格となりますが、通常は、最低売却価格+αという時価よりも低い水準でしか落札されません。
これに対し、任意競売の場合は、建物の居住者である所有者が不動産の売買成立後は当該物件の引き渡しにも協力すること、不動産仲介業者が当該不動産の買主を広く広告・募集してくれるため、高い買受申出額の購入者を選定できること、などから競売になった場合よりも高く不動産を処分することができます。
2. 短期間で売却し債権回収ができること
任意売却の場合、関係者の合意が得られれば、その時点で売却代金による債権の回収ができます。
しかし、競売の場合には、手続き終了まで1年程度かかることがあります。
2.債務者(所有者)にとってのメリット
上記のように、債権者にとっては、競売に比べて、回収額が多くなることから、債務者に対して、残債務のカットや場合によっては債務者に対し若干の引っ越し費用を支払っても、任意売却によって債権回収を図った方が合理的な場合があります。
そのため、債務者としても、任意売却に同意することによって、債権者との交渉次第では、残債務のカットや引っ越し費用の支いに応じてもらえる場合があります。
3.不動産購入者にとってのメリット
1. 希望物件を確実に取得できること
競売の場合、第三者に落札される危険もあります。また、不動産執行法の改正により、不動産の現況を調査する執行官は建物の中身を見ることも可能になりましたが、購入希望者側としては、落札が確定するまでは自由に建物の中を見ることはできないため、建物の傷み具合などは正確に分からないまま落札しなければなりません。
2. ローンが組みやすいこと
競売の場合、金融機関によってはローンが組めない場合があります。 任意売却の場合は、この点でも安心です。
3. 建物から債務者が任意に退去することを期待できること
競売の場合、債務者が建物から任意に退去しない場合があります。
このような場合、手続きが長期化することはもちろん、競落後、購入者は、決して安くない費用をかけて債務者を強制的に退去させる手続きをしなくてはなりません。
任意売却の場合、債務者(所有者)も不動産の売却に納得済みですから、任意に退去することが期待できます。また。これを条件に売買契約を結ぶことも可能です。
このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
第 34 回
蒸発した夫名義の不動産を処分する方法
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