弁護士ドットコム 司法書士ドットコム 税理士ドットコム 社労士ドットコム
弁護士ドットコムは、インターネットで法律相談をしたり、事件解決を依頼したときの費用の見積をしたり、弁護士を検索したりすることができます。弁護士ドットコム - トップ弁護士ドットコム - よくある質問弁護士ドットコム - お問い合わせ
弁護士ドットコム 弁護士費用の見積もり 法律相談 弁護士検索[無料] 法律相談所 やさしい法律入門
よくわかる!やさしい法律入門
借金問題(債務整理)
交通事故
離婚
遺産相続
労働問題
債権回収
医療過誤
消費者被害
借地借家問題
刑事弁護
少年事件
刑事告訴/告発
顧問弁護士探し
不動産取引
契約成立時期
不動産の処分方法
申込証拠金の運命
長期間滞納者への対処法
不動産業者の説明責任
共有物分割の方法
管理費滞納のマンション
宅建業者の報酬請求権
任意売却のメリット
成年後見制度
私道と税金の法律相談
売買契約のローン条項
消費者契約法
自殺があった建物
瑕疵担保責任
マンションでの店舗営業
放置自動車の対処法
隣地越境物の対処法
期間の定めのない使用貸借の終了時期
知的財産問題
顧問税理士 顧問弁護士探しは弁護士ドットコム
メールマガジン
弁護士がやさしく教える!得する法律講座
イザというときに役立つ法律知識が満載!購読(無料)を希望される方は、 上記フォームにメールアドレスを入力して、 「登録」を押してください。

長期滞納者への対処法

このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。
そして、私は、「不動産取引」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。

今回の相談はこちらです。

Q私は、あるマンションの管理組合の理事長をしております。私のマンションには3年以上もの長期間に渡りマンションの管理費・修繕積立金を滞納し続けている区分所有者がいます。

管理組合では、既に内容証明郵便で支払いを催告してきましたが一向に支払いがなく、その為、弁護士に依頼して管理費の支払いを求め提訴をし、勝訴判決まで得たのですが、その滞納者はそれでも全く支払いに応じません。

裁判を依頼した弁護士の話によると、その滞納者の所有するマンションには既にマンションの時価を大きく上回る抵当権が設定されているため当該マンションの競売をすることもできず、また、滞納者の勤務先も不明であるため、給与の差押えもできないとのことでした。

管理組合としては、このまま滞納が続くことを容認するわけにはいきません。何とかならないでしょうか。



A確かに、管理費の支払いを求め判決を得たとしても、滞納者に資産がなければ、
差押えをすることができません。

前記のように、滞納者のマンションに時価相当額以上の抵当権が設定されている場合、管理組合が、管理費の支払いを命ずる通常の判決に基づいてマンションの強制競売の申立をしても、「競売代金は全て抵当権者に配当され管理組合には配当されないのだから、管理組合には、抵当権者が競売する意思がないのに、これを請求する権限がない」という理由で、管理組合の競売申立は裁判所によって却下されてしまいます(これを民事執行法63条の「無剰余却下」といいます)。また、滞納者が年金暮らしをしている、勤務先が全く不明である、行方不明で連絡がつかないなど場合には勤務先の給与を差し押さえることもできません。滞納者の預金の差押えについても、どこの銀行のどこの支店に預金があるかを管理組合の方で特定しなければ差押えができませんし、仮に、預金口座が分かったとしても、このような滞納者にはお金がなく殆ど預金が残っていないのが通常です。

では、このような場合、管理組合としては、管理費の滞納が日々膨らんでいくのを黙って待つしかないのでしょうか。

このような場合、区分所有法59条に基づく競売請求の裁判を提起することをお勧めします。

この59条の競売請求の裁判とは、ある区分所有者が当該マンションの共同の利益に著しく害する行為をした場合、管理組合は、その区分所有者に対してその者が所有する区分所有建物の競売を請求することができるという規定です。

本件のように長期間に亘り、管理費の滞納をしており、判決を得ても、支払いに応じないと言うケースでは、管理費等の長期滞納が共同の利益に著しく害する行為をした場合に当たりますので、59条に基づく競売請求が可能です。

そして、この59条に基づく競売請求裁判のメリットは、たとえ当該マンションの時価を超える抵当権が設定されている場合にも、前記の無剰余却下の適用がなく、競売を実施できると言う点です。

以前の東京地裁民事執行部の扱いは59条に基づく競売請求の場合にも民事執行法63条を適用して無剰余却下をしていたようですが、当法律事務所では、上記東京地裁の取り扱いを不当であるとし、東京高裁に控訴をしました。その結果、東京高決平成16年5月20日は、59条に基づく競売請求の場合には無剰余却下の適用がないことを明らかにする新しい判例を形成しました。現在の東京地裁では、上記判例に基づく運用に変更されているようです。

ただし、この59条の裁判をするには、管理組合は総会を開き、全区分所有者及び議決権の4分の3以上の賛成を得なければなりません。

59条により競売が実施された場合、その競売代金は、第1に、手続き費用としての管理組合が収めた予納金の返還に、第2に、抵当権者に配当され、当該競売代金からは管理費等の支払いは受けられません。

しかし、新所有者に代われば、その新所有者が旧所有者の管理費等の支払い義務を承継します。新所有者は、通常は、新たにマンションを購入するなど資力に問題がない正常な入居者がなりますので、請求をすればこれを支払ってくるのが通常です。

このようにして、59条の競売請求を利用すれば、不良入居者を追い出すことができ、新所有者のもと以後の管理費滞納で頭を悩ますことがなくなり、これと共に、以前の旧所有者の滞納管理費についても回収できることになります。

もっとも、前記のように管理組合から競売を請求するというのではなく、抵当権者が滞納者のマンションを競売に出すのを待つという方法もあります。確かに、これにより新所有者に代われば、費用をかけることなく、新所有者から区分所有法8条により滞納管理費の回収を図ることができるでしょう。しかし、抵当権者は、いつ競売を申立てくれるか分かりません。また、抵当権者は、通常、滞納者に対し競売を盾にしてローンの支払いを求めていますので、滞納者が抵当権者に対しローンの支払いを続けている限りにおいては、抵当権者は競売申立をしないでしょう。この間、抵当権者が競売を申し立てるか否か、申し立てるとして何年かかるか分からないのに、そのような不真面目な滞納者を居住させ続けていたのでは、真面目に毎月管理費を納めている他の区分所有者は納得しないでしょうから、その意味でも、前記59条の競売請求の裁判は意義があると思われます。

「不動産業者の説明責任」を読む
「不動産取引」トップに戻る
秋山 亘 弁護士 寄稿担当:秋山 亘 弁護士
所属:佐久間・秋山法律事務所
プロフィールを見る
債務整理の見積もり 債務整理の法律相談 引き直し計算 - 任意整理
このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
弁護士ドットコムとは? | 運営法人概要 | 利用規約 | プライバシーの考え方 | 広告掲載のお問い合わせ | サイトマップ
Copyright (C) 2005 bengo4.com. All Rights Reserved.