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借地条件変更

このコーナーは、法律問題について、初歩的なご説明をするというものです。
そして、私は、「借地借家問題」について、数回にわたり、相談に回答する形式で解説することになっています。

今回の相談はこちらです。

Q現在借地上に木造住宅を建てて住んでおりますが、私の借地を含む近隣の地域が高度利用地区に指定されたため、近隣の土地は高層ビルが建ち並んでおり、商業地域化が進んでおります。

そこで、私の借地も鉄筋コンクリート造り5階建てのビルに全面改築しようと考えておりますが、賃貸借契約書では借地上の建物は「非堅固建物に限る」と記載されており、地主は、建物改築に承諾してくれません。

この場合、どのような手続きを取ったらよいのでしょうか。


A1. 借地条件変更の裁判

本件のように賃貸借契約書において借地上の建物は「非堅固建物に限る」「木造家屋に限る」という建物の構造・規模等に関する制限(これを「借地条件」といいます)がある場合に、これを変更して「堅固建物」(例えば、鉄筋コンクリート造りの建物)に全面改築したい場合には借地条件変更の裁判を申立てる方法が考えられます。

この借地条件変更の裁判は、増改築許可の裁判と異なり要件がだいぶ厳しくなり、また、承諾料も更地価格の10%と高くなります。

そこで、今回は、借地条件変更の裁判の要件について詳しくご説明します。

A2. まずは協議を

借地借家法施行前(平成4年8月1日)に設定された土地賃貸借契約では、借地条件として「非堅固建物所有目的」を掲げているものがあります。
これは、土地の上に木造家屋といった非堅固建物を建設することは許可するが、鉄筋コンクリート造等の堅固建物を建設することは許可しないという内容の借地条件です。
これに反して無断で堅固建物を建てると契約違反となり賃貸借契約を解除されることがあります。

しかし、時の経過と共に木造建物は老朽化しますし、次に建物を建替えるときは、付近の建物にあわせて鉄筋造の堅固なビルにしたいという借地権者もいることでしょう。
このような場合、まずは地主と協議して、借地条件の変更の承諾を得なければなりません。この際相当の承諾料を払わなければならないでしょう。

しかし、それでも地主との協議がつかない場合は、裁判所へ借地条件変更の許可の裁判を求めることができます(借地借家法17条1項)。
なお、旧法では、この借地条件変更の許可の裁判ができる対象が、非堅固建物所有目的から堅固建物所有目的に限られていましたが、新法では、「建物の種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合」に対象を拡張しています。

もっとも、実際に問題になるケースは非堅固建物から堅固建物への変更が多いようです。

A3. 裁判の場合

裁判所は、法令の規制の変更(新たに防火地域に指定された、高度利用地区に指定された等)や近隣の土地の利用状況の変化(付近の土地上の建物では商業化に伴いほとんどが鉄筋の建物・高層のビルになっている)等のいわゆる「事情の変更」がある場合には、借地条件変更の許可の裁判をすることができます。

但し、この借地条件変更の裁判の場合は、借地権譲渡の裁判と異なり、借地権の存続期間の延長を命ずる処分(通常は30年程度)がなされるなど(これは建物を保護する目的でなされます)、地主に対して不利な処分を伴いますので、借地権譲渡の許可の裁判や増改築許可の裁判と異なり、簡単にはでません。

例えば、単に、「家族が増えたから」とか「商業替えのための建て替え」「既存建物老朽化のための堅固建物への建て替え」といった借地人の個人的事情だけでは、許可の裁判はでないのです。

そして、許可の裁判がでる場合にも、裁判所は大抵の場合借地人に相当の承諾料の支払を命じます。
その承諾料の相場は更地価格の10パーセント前後となっています。この更地価格の10パーセントというのは、前記の地主との事前交渉の際にも一つの目安となるでしょう。

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秋山 亘 弁護士 寄稿担当:秋山 亘 弁護士
所属:佐久間・秋山法律事務所
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このコンテンツは寄稿担当弁護士の責任のもと作成されたものです。弁護士ドットコムは内容の正確性、真実性等について責任を負いませんのでご了承下さい。
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