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損害賠償

Q被害者はどのような損害を請求できるのですか?(傷害・後遺症なし)
A(1) 財産的損害、(2) 精神的損害、を請求できます。

(1) 財産的損害
治療費、付添人費用、通院交通費、雑費、休業損害などです。

(2) 精神的損害
入院、通院したことに対する慰謝料です。

Q被害者はどのような損害を請求できるのですか?(傷害・後遺症あり)
A上記に加えて、後遺障害に対する逸失利益財産的損害)と、後遺障害に対する慰謝料(精神的損害)が請求できます。

Q被害者はどのような損害を請求できるのですか?(死亡)
A (1) 財産的損害
死亡による逸失利益、葬儀費用、死亡に至るまでの治療費などです。

(2) 精神的損害
死亡したことに対する慰謝料です。

Q逸失利益とは何ですか?
A逸失利益には、死亡事故の場合の逸失利益と、傷害事故で後遺症の残っている場合の後遺症による逸失利益とがあります。 死亡事故の場合の逸失利益とは、事故によって死亡した人が、事故にあわずに無事生存していたら、一生の間に得られたであろう収入のことをいいます。 後遺症による逸失利益とは、後遺障害でその人の労働能力が低下したことにより、一生の間に得られたであろう収入が減額した分のことをいいます。 逸失利益は、損害賠償の項目の内、もっとも金額が大きいので、その算定は非常に重要です。

Q被害者が専業主婦であった場合、逸失利益や休業補償は発生しないのですか?
Aいいえ、発生します。裁判では、女子労働者の平均賃金を基準として逸失利益や休業補償を算定することが多いです。

Q被害者が無職者であった場合、逸失利益は発生しないのですか?
A無職者であっても、労働能力と意思を有していたが、たまたま失業中であったような場合には、逸失利益は認められます。他方、働く意思の見られない利子生活者や浮浪者などには、逸失利益は認められません。

Q被害者が幼児や小中学生であった場合、逸失利益は発生しないのですか?
Aいいえ、発生します。裁判では、労働者の平均賃金を基準とし、18歳から67歳までの49年間働くと考えて逸失利益を算定します。

Q被害者が高校生や大学生であった場合、逸失利益は発生しないのですか?
Aいいえ、発生します。裁判では、高卒あるいは大卒の労働者の平均賃金を基準として逸失利益を算定します。その際、高校生であっても、大学進学が確実である場合には、大卒の労働者の平均賃金を基準としますし、大学生であっても、企業に内定していたような場合には、その会社の賃金を基準として平均賃金を算定することもあります。また、医学部生の場合には、医者になる可能性が高いので、医者の平均賃金を基準とすることができる場合もあります。

Q被害者が死亡したときは、賠償金の請求は誰ができますか?
A被害者の相続人が損害賠償を請求できます。内縁の妻・夫(愛人は含みません)も損害賠償を請求できます。相続人以外の近親者も、慰謝料請求権を取得します。

Q家族間の事故でも、賠償請求できますか?
Aはい、賠償請求ができます。たとえば、夫の運転で家族でドライブをしていて、単独事故を起こし、助手席の妻がケガをしたような場合、妻が夫に損害賠償請求することができます。したがって、被害者請求も可能です。もっとも、賠償される範囲は自賠責保険の範囲までであり、任意保険の分までは支払われません(約款で免責となっています)。

Q被害者は誰に対して損害賠償を請求できますか?
A (1) 加害者
加害者に故意または過失があれば、損害賠償請求できることはもちろんです。また、加害者が運行供用者としての責任を負う場合は、ほとんど無過失責任となります。

(2) 保険会社
強制保険(自動車賠償責任保険)による請求と、任意保険による請求が可能です。

(3) 自動車の名義人
自動車の名義人と加害者が異なる場合には、名義人に対し、運行供用者としての責任を追及することができます(ただし、自動車ローン販売の売主などの例外はあり)。

(4) 加害者の雇い主
加害者が会社の従業員であり、業務中などに事故を起こしたような場合には、雇い主である会社に対しても損害賠償を請求できます。

(5) 被害者の雇い主
被害者が、業務中や通勤途中に事故の被害に遭った場合には、被害者の勤務している会社に対し、その損害を補償してもらえます。また、労災保険が使えます。

(6) 国
道路の設置または管理などに問題があって、事故が発生したような場合や、 加害者が公務員で公務執行中であったような場合には、国に対して損害賠償を請求できます。

(7) 加害者の親
加害者が責任能力のない子どもであったような場合には、その親に対し、責任を追及できます。

(8) 自動車メーカーなど
自動車の欠陥によって事故が起きたような場合には自動車メーカーなどに責任追及が可能です。

Q加害者への損害賠償請求はいつまでにすれば良いですか?
A一定期間、権利を行使しないでいると、その権利が消滅してしまうことを消滅時効といいます。加害者への損害賠償請求は、被害者が損害および加害者を知ってから3年で消滅時効にかかってしまいます。ひき逃げで加害者が誰だかわからないような特殊な場合を除き、通常は、事故発生の日時から3年で時効となってしまいます。 もっとも、交通事故により後遺症を負った場合には、後遺症があると医師が認定したときから消滅時効が進行しますから、ある程度、時間的な余裕はあります。 なお、自賠責保険の被害者請求については、保険会社に被害者請求をできるときから2年で消滅時効にかかるので、注意が必要です。

Q死亡事故での損害賠償請求はどうすればよいですか?
A死亡までの治療費や葬儀代はすぐに加害者に請求して払ってもらいましょう。また、一家の生計を支えていた方が亡くなった場合などは、すぐに生活費にも困るでしょうから、生活費を加害者に請求すべきです。そして、自賠責保険の被害者請求をして、支払いをうけ、当面の生活の不安を取り除きましょう。自賠責保険の被害者請求の手続きは、保険会社に用紙と説明書をもらって、ご自分でおこなうこともできます。なお、加害車両の加入している保険会社がわからなければ警察に問い合わせましょう。あとは、弁護士に相談するなどして、じっくりと腰をすえて、示談交渉をし、保険会社に納得のいく賠償金を算出してもらいましょう。

Q傷害事故での損害賠償請求はどうすればよいですか?
Aまず、治療費は加害者側から直接病院に払ってもらいましょう。また、負傷により収入が途絶えた場合も、当面の生活費を請求しましょう。誤解されている方も多いのですが、示談をしなければ治療費や賠償金を支払ってもらえないわけではありません。ですから、あわてて示談してはいけません(ただし、時効に注意)。いったん示談をしてしまうと、その後に損害額が増加しても、原則として示談のやり直しはきかないからです。治療が終了するか、治療について一定の見通しがついてから(後遺症がある場合は、症状固定・等級認定後)、腰をすえて示談交渉をすればよいです。なお、加害者は刑事事件との絡みで、自己の刑事責任を軽くするために、早い段階での示談を希望しますが、必ずしもこれに応じる必要はありません。加害者側が治療費等を十分に払わない場合には、自賠責保険の被害者請求(仮渡金の請求)をするのが良いでしょう。また、後遺症がある場合で、保険会社との示談交渉がまとまらない場合には、後遺障害について、自賠責保険に被害者請求をしましょう。

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